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EBITDAの計算方法と活用例をわかりやすく解説

EBITDAの計算方法と活用例をわかりやすく解説
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こんにちは。

ファイナンシャルプランナー(1級FP技能士)のhanaです。

この記事では↓

「EBITDA」がグローバル投資に役立つと本に書いてあったけど意味がまったくわかりません。実は読み方すらわかりません。わかりやすく教えてください。

こんな疑問を解決します。

EBITDAとは

EBITDAとは税金や金利の支払い前、固定資産等の減価償却費を控除する前の「償却前利益」のことです。

読み方は「イービットディーエー」「イービットダー」「イービッダー」など様々な呼び方がありますが相手に意味が伝わればどの呼び方でもかまいません。

hana
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理由はEBITDAが「Earnings before Interest, Taxes, Depreciation, and Amortization」の頭文字をとったものだからです。

EBITDAの求め方

EBITDAは企業の償却前利益を求めることで国によって異なる法人税等の税制や金利差を排除したグローバルな比較が可能になる等のメリットがありますが、その計算方法は一つではなく複数あります。

これより4つのEBITDAの計算式を紹介しますが、すべてに共通しているのは「減価償却費」を加算する点です。

減価償却費は実際の現金支出を伴わない費用です。これを加算することで減価償却で圧縮されていない本来の利益やキャッシュフローをベースとした分析(資金繰り等の参考)が可能になります。この点もEBITDAを活用するメリットになります。

営業利益を基準にEBITDAを計算

EBITDAの計算式

営業利益+減価償却費=EBITDA

営業利益とは売上総利益(売上高-売上原価)から販売費および一般管理費を差し引いた本業から生み出された利益のことです。

経常利益を基準にEBITDAを計算

EBITDAの計算式

経常利益+支払利息+減価償却費=EBITDA

経常利益とは営業利益に(営業外収益-営業外費用)を加算した利益のことですがEBITDAの計算にあたっては営業外費用のうち支払利息は対象に含めて計算します。

事業利益を基準にEBITDAを計算

EBITDAの計算式

事業利益+減価償却費=EBITDA

事業利益とは営業利益に受取利息および受取配当、有価証券利息を加えた利益のことです。

税引前当期純利益を基準にEBITDAを計算

EBITDAの計算式

税引前当期純利益+支払利息+減価償却費=EBITDA

税引前当期純利益とは経常利益に(特別利益-特別損失)を加算した利益のことです。

※営業利益や経常利益は損益計算書から確認することができます。こちらの記事↓で解説しています。

hana
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上記、4つの利益を基準にしたEBITDAを紹介しましたが計算式が統一されているわけではありませんので、株式投資やM&A等を目的に企業価値評価を行う場合、どの利益を基準に算出されているのか注意しなければなりません。

EBITDAの活用例

EBITDAの活用例として2点紹介します。

企業価値評価

企業価値はEV(エンタープライズバリュー)で表記され企業の時価総額に有利子負債を加算し現預金を差し引いた値で計算されます。

EVの計算式

時価総額+有利子負債-現預金=EV(企業価値)

※有利子負債=短期借入金+長期借入金+CP+社債+転換社債

このEVとEBITDAを使って簡易的に企業買収のコストを計算することができます。

EV/EBITDA倍率の計算式

EV÷EBITDA=EV/EBITDA倍率

上記の計算式から「EV(企業価値)はEBITDA(キャッシュベース利益)の何倍あるのか」を求めることができますので、企業買収後に何年分のEBITDAでまかなう(投資分を回収する)ことができるのかの目安にすることが可能です。

例えばEVが100億円、EBITDAが10億円であればEV/EBITDA倍率は10倍になりますが、これは当該企業を買収した場合投資額の回収にEBITDAを基準に考えると10年かかると判断できます。

なおEV/EBITDA倍率の目安は6倍~7倍前後と考えられており、それ以下だと買収適格(割安)、超えてくると買収不適格(割高)と判断されるケースが多いです。

有利子負債返済能力

企業の有利子負債額(DEBT)とEBITDAを使って企業の有利子負債返済能力を調べる目安にすることができます。

DEBT/EBITDA倍率の計算式

有利子負債(DEBT)÷EBITDA=DEBT/EBITDA倍率

上記の計算式から「企業の有利子負債はEBITDAの何倍あるのか」を求めることができますので、言い換えると何年分のEBITDAで有利子負債を返済することができるのかの目安にすることができます。

EBITDAは、国際的な企業、あるいは設備投資が多く減価償却負担の高い企業などの収益力を比較・分析する際にしばしば用いられます。
引用:EBITDA(SMBC日興証券)

EBITDAの効果的な使い方

今回はEBITDAについて意味や計算方法、活用例を解説しました。

税や金利等の影響を除外かつキャッシュをベースに計算するEBITDAは海外企業との比較(もちろん国内の同業種間での比較や自社の過去期間との比較にも活用できる)やM&A、株式投資等の判断に使える便利な指標ですが、キャッシュベースなだけで正確なキャッシュフローではない点などデメリットもある分析方法です。

企業分析等にEBITDAを活用されるさいは他の指標(決算書など)も組み合わせて総合的に判断されるのが良いでしょう。

<わかりやすい解説動画>

<EBITDAって何?会社の6つ目の利益を初心者向けに解説!>

その他、ファンダメンタル分析に役立つ計算式は以下の記事をご参照ください。