こんにちは。
ファイナンシャルプランナー(1級FP技能士)のhanaです。
この記事では↓
・FP3級に合格したから次はFP2級を取得したい
・金融機関等に2年以上勤務しており、その結果受験資格を満たしてしまったからFP2級を取得しなければならない
・AFPの認定研修を修了したからFP2級にチャレンジしよう
といった状況(受験資格あり)で、かつ
できるだけお金をかけずにFP2級を取得したい
人のために「独学」でFP2級に合格するために必要な試験攻略のコツや勉強方法、学習時間の目安などを解説します。

私もFP2級を独学で取得していますので、体験談もあわせてお伝えします
FP2級攻略のコツ(FP3級との違い)
FP2級を独学で合格するために、まずは試験範囲と試験形式をしっかり把握する必要があります。
FP2級試験範囲
①ライフプランニングと資金計画
②リスク管理
③金融資産運用
④タックスプランニング
⑤不動産
⑥相続・事業承継
FP試験は上記6科目が1級から3級で出題されます。
なお、FP2級とFP3級の試験範囲の違いは下記項目が追加される程度でほとんど同じです。
・中小法人の資金計画(ライフプランニングと資金計画)
・法人税、法人住民税、法人事業税など(タックスプランニング)
・事業承継対策(相続・事業承継)
試験範囲は法人関係が加わる程度ですが試験形式は少々グレードアップします。
FP2級の試験形式
学科試験:四答択一式
実技試験:記述(計算問題)とマークシート
FP2級の学科試験
FP3級では○×問題(30問)と三択問題(30問)だった学科試験がFP2級では四択問題のみ(60問)になります。
四択問題は「最も適切なもの」または「最も不適切なもの」を4つの肢から選択する問題が主に出題されます。
選択肢を読むことで適不適を判断できるものが多いですが、なかには計算しなければ正解肢がわからない問題も出題されます。
試験時間はFP3級と同じ2時間(10:00~12:00)ですので、時間配分には注意が必要です。
2時間で四択60問はわりとカツカツになりやすいので、計算問題など時間がかかりそうだな、と判断したらいったんとばして最後に解くようにするのも一考です。
その理由は2つあります。
・1つ目は得点できたはずの問題を時間切れによって取りこぼさない
・2つ目が最後にまわすことで計算問題を落ち着いて解くことができる

「正解できた(はずの)問題」を取りこぼすともったいないので、私は時間がかかりそうな問題は最後にまわしました。なお、FP講座の受講生にもそうするように伝えています。
学科試験は60問(60点満点)のうち36点以上で合格となります。
FP2級の実技試験
FP2級を日本ファイナンシャル・プランナーズ協会(日本FP協会)で受験する場合は「資産設計提案業務」が実技試験ですが、金融財政事情研究会で受験する場合、4つの科目からの選択制になります。
金融財政事情研究会のFP2級実技試験
・個人資産相談業務
・中小事業主資産相談業務
・生保顧客資産相談業務
・損保顧客資産相談業務
この4つの選択科目は相談対象が「個人」なのか「中小事業主」「生保顧客」「損保顧客」なのかの違いだけで出題形式は同じです。
事例形式で5題(各3問の計15問)出題され解き方は下記3点でほぼ統一されています。
①計算問題(年金受給額など詳細な計算が必要なものは計算式が資料として添付されている)
②語句群から選ぶ(イ、ロ、ハ、ニ、ホ…から適切なものを選択する)
③適切な設問には○を不適切な設問には×をマークする
4つの選択科目いずれも50点満点のうち30点以上で合格となります。
問題の難易度も大差ありませんので好きな科目を選んでいいと思いますが、一つ注意点があります。
FP2級試験は年3回実施されますが、すべての選択科目が毎回実施されるわけではないのです。
・損保顧客資産相談業務は9月試験のみ実施
・中小事業主資産相談業務は1月試験と9月試験で実施
このことから毎回実施されているのは「個人資産相談業務」と「生保顧客資産相談業務」ということになります。
この点を考慮すると損保や中小事業主を選ぶ特段の事由(仕事の関係など)がないのであれば個人資産か生保顧客を選択するほうがいい、と考えられます。

私は「個人資産相談業務」を受験しました!
FP2級の合格率
FP試験は学科試験、実技試験ともに60%以上の正解で合格する絶対評価試験ですので、合格率は試験問題次第で大きく変わります。
過去の試験データからひもとくと学科試験で約25%、実技試験は30%~50%(個人資産相談業務がやや低い(難易度が高い)傾向)です。

合格率だけで判断するとやや難しい試験に思えますが、受験者の中には勉強せずに試験だけ受けに来た人(会社から受けるように言われている)がいらっしゃいますので、実際の合格率はもっと高いです。
受験者数や合格者数、合格率は金融財政事情研究会のホームページに詳細なデータが記載されています。
FP2級を独学で効率的に勉強する方法
FP2級を独学で合格するうえで大切な「テキスト選び」「勉強方法」「学習時間の目安」について解説します。
独学合格に必要なテキスト(参考書)
FP2級を独学で取得するにあたりテキスト(参考書)選びはとても重要です。
市販されているテキストから選ぶコツは下記3点です。
①資格講座の大手が出版しているテキスト(参考書)
②出版日(販売日)に注意して例年5月から6月に出版されている新刊を買う
③ページ数ではなく読みやすさを重視
上記3点を満たすテキスト(参考書)がFP2級独学合格に大切です。それぞれ解説します。
大手が出版しているテキスト(参考書)
FP2級は年間約12万人が受験する人気の高い資格です。
そのため市販されるテキスト(参考書)も複数の会社から販売されています。
数が増えると選べる範囲が広がりますのでいいことのように思いますが、反面どれを選べばいいのか迷いが生じてしまいます。
私が他社のFP2級テキストを確認して思うことは「どの会社も要点をおさえた素晴らしいテキストだ」ということです。
そのうえで資格講座の大手が出版しているテキスト(参考書)をおすすめする理由は2つあります。
・大手は大手であり続けるために絶えず情報収集等をしていますのでテキストの完成度が高い(ノウハウがある)
・法令改正等が発生した場合、自社のホームページなどで情報の公開や記載内容の訂正をタイムリーに行うことができる
出版日(販売日)に注意
出版日に注意しなければならない理由はFP試験の法令基準日にあります。
法令基準日とは例えば5月試験の場合は前年の10月1日と規定されていますが、これは前年の10月1日時点の法令に基づいて試験問題が出題されるということです。
なお、9月試験は同年4月1日、翌年1月試験は前年10月1日が法令基準日です。
そのため常に試験制度に対応したテキスト(参考書)で勉強することが望ましいと考えられます。
出版社によって発売日が違いますので一概には言えませんが、例年5月から6月に新刊がでる傾向にあります。もしFP2級を取得しようとテキスト(参考書)を探しているのが3月や4月などであれば2~3カ月待ってみるといいかもしれません。

試験科目のうち特にタックスプランニングは法令改正が行われやすいので、独学の場合は注意しなければいけません
テキスト(参考書)は読みやすさ重視
独学でFP2級を受験する人の中には独学ゆえの心細さからページ数の多い分厚いテキストを選択する人がいらっしゃいます。

私のことです!
確かに分厚いテキストはその分量の多さから、より詳細に項目を把握できるメリットがありますが、FP2級試験に合格するために必要なことは「(ほぼ)確実に出題される問題を確実に得点する」ことにあります。
全体の60%以上の正解で合格できる試験ですので基本的な問題を取りこぼさないことが最も大事なのです。
そのためには読んでみて読みやすいテキスト(参考書)が内容を理解しやすいのでおすすめです。
FP2級独学取得に必要なテキスト(参考書)をまとめると「大手が出版している読みやすいテキストで5月~6月に出版された新刊を買う」です。
市販されているテキストから上記3つの要件を満たすテキストを紹介します。
おすすめテキスト①「みんなが欲しかった!FPの教科書 2級・AFP」TAC出版
おすすめテキスト②「FPの学校 2級・AFP きほんテキスト」ユーキャン学び出版
FP2級の学習方法
FP2級の学習方法はすでにFP3級を取得している場合とはじめてFP試験を受験する場合で少々おすすめが異なります。
FP3級を取得している場合
FP3級を取得している場合はFP試験の基礎知識がある状態ですので問題集メインの学習が効率的です。
①FP2級テキスト(参考書)を一回読む
②問題集を解く
③わからない問題をテキストで確認(以降、②③を繰り返す)
テキスト(参考書)を補助教材として問題集を解くスタイルが合格水準までの最短ルートです。
おすすめ問題集①「みんなが欲しかった!FPの問題集 2級・AFP」TAC出版
おすすめ問題集②「FPの学校 2級・AFP これだけ!問題集」ユーキャン学び出版
はじめてFP試験を受験する場合
基礎知識がない状態でFP2級を独学で勉強する場合はテキスト(参考書)からの学習が効率的です。
①FP2級テキストを流し読みする(どんな項目が試験で問われるのか等、おおざっぱに把握するだけでOKです)
※理想は一気に読み終えることです(日をまたがない)
②FP2級テキストを熟読する(時間をかけて丁寧に読みます)
※完璧に覚える必要はありません、全体の2割程度を記憶できれば問題を解くうえでの基礎知識は十分です。
③問題集を解く
④わからない問題をテキストで確認(以降、③④を繰り返す)
最初はテキスト(参考書)ですが、中盤からは問題集メインになります。
FP2級独学合格に必要な学習時間の目安
独学合格に必要な学習時間は人それぞれ状況が違いますので目安程度ですが、FP3級の基礎知識がある場合は約100時間、はじめて学習する場合で約200時間といったところです。
根拠は知り合いのファイナンシャルプランナー(独学でFP2級取得)に訊いたところ、基礎知識アリで100時間、なしで200時間程度の回答が多かったこと、それと独学ではありませんが当講座の受講生も平均してそのくらいのためです。

私もそんな感じでした。FP3級の知識ありの状態で1日1時間の勉強を約3カ月して合格しましたので!
さいごに
この記事ではFP2級に独学で合格するために必要な試験攻略のコツ(試験問題の傾向や実技試験の注意点など)とテキスト(参考書)選びや勉強方法を紹介しました。
FP2級を独学で受験される方の参考になれば幸いです。
PS:独学がちょっとキビシイ場合やより効率的に学習したい場合は通信講座の利用もおすすめです。