こんにちは。
1級FP技能士(ファイナンシャルプランナー)のhanaです。
今回は、ファイナンシャルプランナー2級、3級試験で出題されやすい、厚生年金基金、確定給付企業年金、確定拠出年金(企業型、個人型)、国民年金基金、小規模企業共済制度について解説いたします。
効果的な学習になるよう大事な部分を重点的に説明していますので、ぜひご参照ください。
確定給付型年金
確定給付型とは、将来の給付額をあらかじめ決めておき、予定利率などから必要な掛け金を拠出する制度です。
確定しているのは、給付や掛金の「金額」ではなく、それらを決める「算定式」
引用:確定給付型と確定拠出型、何が「確定」しているの!?(年金時代)
FP試験対策として2つ紹介します。
厚生年金基金
厚生年金に加入している企業が従業員の年金上乗せを目的に利用する企業年金制度です。
なお、2020年4月現在、厚生年金基金を新しく設立することはできないことになっています。
確定給付企業年金
確定給付企業年金には、基金型と規約型があります。

基金型を設立するには加入者300人以上が必要です。
運用は企業が行います。掛け金は原則、企業が負担しますが、本人の同意を得たうえで2分の1を上回らない範囲で本人負担も可能です。

実際の運用は企業が信託銀行等に委託して運用しています。
給付内容があらかじめ定められることから、DB(Defined Benefit Plan)、「給付建て年金」とも呼ばれる。
引用:確定給付企業年金(DB) 企業年金連合会
確定拠出年金
確定拠出年金とは、運用実績次第で将来受け取れる年金額が変動する年金制度です。
企業型と個人型(iDeCo)があります
運用にあたっては、信託銀行などの資産管理機関が3本以上35本以下のリスクリターンの異なる金融商品を選定し、その中から加入者が選択して運用します。

これは運用リスクは加入者にある、ということです。
確定拠出年金は加入後、任意に制度を抜けることはできませんが、一定の条件を満たしている場合は脱退一時金を受け取り、制度を抜けることができます。
将来の年金は10年以上の加入期間があれば原則として60歳から受給できます。
なお、給付は年金としての老齢給付だけでなく、障害給付、死亡一時金があります。
それぞれ受給時の課税方法が異なります。
①老齢給付を年金として受け取る→雑所得の対象
②老齢給付を一時金として受け取る→退職所得の対象
③障害給付→非課税
④死亡一時金→相続税の対象
ここからは、企業型と個人型の毎月の拠出額等の違いについて説明します。
企業型
企業に勤める従業員等が加入する企業型確定拠出年金ですが、毎月の拠出限度額は、他の確定給付型年金を企業が導入しているか否かで変わります。
他の確定給付型年金 | 拠出限度額 |
導入していない | 月5万5,000円 (年66万円) |
導入してある | 月2万7,500円 (年33万円) |

転職した場合、転職先に企業型確定拠出年金があれば、年金資産の移転ができます。これをポータビリティといいます。
個人型(iDeCo)
個人型は、自営業者などの第1号被保険者、企業年金に加入していない会社員、公務員、専業主婦などの第3号被保険者等が加入できる制度です。
毎月の拠出限度額はそれぞれ定められています。
一例をあげると、自営業者などの国民年金の第1号被保険者は月額6万8,000円(年81万6,000円)まで拠出することが可能です。
掛金は全額所得控除(小規模企業共済等掛金控除)の対象となりますが、国民年金の保険料を免除、滞納している場合は加入することができません。

なお、国民年金基金にも加入している場合、拠出限度額は合算して月6万8,000円までとなります。
国民年金基金
国民年金基金は、厚生年金に加入できない第1号被保険者のために、将来の老齢基礎年金の上乗せ等を目的に運用されている制度です。
なお、国民年金基金に加入する場合、付加年金には加入できません。
また、国民年金保険料を免除、滞納している場合も加入できません。
掛金は月額6万8,000円まで(iDeCoと合算して)となり、掛金は全額所得控除の対象です。
小規模企業共済
小規模企業共済とは、事業主の退職金などを目的に従業員20人以下の個人事業主や役員などが、月額1,000円から7万円(500円刻み)までの範囲で掛け金を拠出して運用する制度です。
掛金は、小規模企業共済等掛金控除の対象となります。(全額所得控除)
共済金は年金として受け取る場合は雑所得として公的年金控除の対象となり、一時金で受け取る場合は退職所得となります。
※年金制度イメージ※
画像参照:企業年金の基礎知識(三井住友信託銀行)
さいごに
今回のFP2級、FP3級資格講座では、厚生年金基金、確定給付企業年金、確定拠出年金(企業型・個人型)、国民年金基金、小規模企業共済について、試験に問われやすいポイントを中心に説明させていただきました。
各制度ごとに目的や拠出限度額など異なる点が多く、暗記するのも大変ですが、頑張っていきましょう。
国民年金・厚生年金については以下の記事で解説しています。