こんにちは。
ファイナンシャルプランナー(1級FP技能士)のhanaです。
今回のFP2級、3級資格講座は外貨建て金融商品と金融派生商品(デリバティブ取引)について説明いたします。
為替レートの変動による違い、オプション取引の仕組みを押さえておきましょう。
外貨建て金融商品とは
外貨建て金融商品とは、ドルやユーロなどの外貨で運用する金融商品です。
金利や利回りも外貨建てで表示されます。
引用:外貨建て金融商品の基礎知識(日本FP協会)
国内の預金より高い金利が設定されている、外貨ベースの固定金利商品の外貨預金や外国証券取引口座を開設することで利用可能になる外貨建てMMFなど、様々な商品があります。
外貨建て金融商品は高い金利を受けられることや分散投資などにも活用できる反面、その国の経済情勢の変化によるカントリーリスクや為替リスクが存在します。
外貨建て金融商品の為替リスク
外貨建て金融商品を購入、売却するさい、日本円⇔外貨に交換する手続きが発生しますが、この交換するレートのことを為替レートといいます。
為替レート
為替レートの基準値となる価格を仲値(TTM)といいます。このTTMは金融機関ごとに毎日、その日のレートによって決められており、取引の基準値として利用されています。
投資家が外貨商品を買う場合(日本円を外貨に換える場合)は、TTMに金融機関ごとに定めている為替手数料を加算したTTS(対顧客電信売相場)の価格で購入することができます。
例えば、TTMが100円で、為替手数料が1円の外貨建て商品であれば、投資家は101円を支払うことで購入することができます。
一方、投資家が外貨商品を売る場合(外貨を日本円に換える場合)は、TTMに金融機関ごとに定めている為替手数料を差し引いたTTB(対顧客電信買相場)の価格で売却することができます。
例えば、TTMが100円で、為替手数料が1円であれば、投資家は売却することで99円を受け取ることができます。
為替差益と為替差損
仮に1ドルを100円で購入したとします。この場合、為替が変動して、1ドルが110円になった場合(円安・ドル高)は、10円の利益が発生します。これを為替差益といいます。
反対に、1ドルが90円になった場合(円高・ドル安)は、10円の損失が発生します。これを為替差損といいます。
慣れないうちは、どちらが円安で、どちらが円高なのか、わからなくなることがあるかもしれません。ですが、次第に慣れてくるので大丈夫です!
金融派生商品
金融派生商品とは、株式や債券などの金融商品に新しい仕組みを付加させることで別の商品に派生させた商品のことです。
金融派生商品はデリバティブ商品ともいいます。
この金融派生商品取引(デリバティブ取引)には、先物取引やオプション取引があります。
先物取引
先物取引とは、ある商品(原資産)を、事前に決められた日(将来のある日)に、取引時点の(現在決めた)価格で売買することを約束する取引です。
上記だとわかりづらいかもしれませんので、簡単に具体例をあげると、3か月後に1万円で売れそうな商品を、今、9,500円で買う約束をする、ようなものです。
少ない資金で大きな取引ができるため、典型的なハイリスク・ハイリターン商品といえます。
引用:金融派生商品(大和証券)
オプション取引
オプション取引とは、ある商品(原資産)を、将来の期日までに、あらかじめ定められた価格(権利行使価格)で、買うことができる権利、または、売ることができる権利をオプション料を支払って売買することです。
権利行使価格で買うことができる権利をコールオプションといい、売ることができる権利をプットオプションといいます。
オプション取引は、権利の売買ですので、例えば、3か月後に1万円で売れそうな商品を、3か月後に9,500円で買う権利をオプション料100円を支払って購入した場合、3か月後の商品価格が1万円であれば、9,500+100円のコストを差し引いて400円の儲けを出すことができます。
一方、3か月後の商品価格が8,000円など、あてがはずれた場合は9,500円で買う必要はなく(買うことができる権利を放棄できる)、購入時に支払ったオプション料100円の損失だけで取引を終えることができます。
オプション取引については、以下のFP資格講座でも解説しています。
<わかりやすい解説動画>
外貨建商品と金融派生商品
さいごに
今回はファイナンシャルプランナー2級、3級試験科目から、外貨建て金融商品と金融派生商品について説明いたしました。
為替レートや為替差損益、オプション取引について出題された場合に備えて、基本をきちんと押さえておきましょう。