こんにちは。
ファイナンシャルプランナー(1級FP技能士)のhanaです。
今回のFP2級、3級資格講座は、債券の基礎知識として、発行目的、発行価格による違い、償還・中途売却時の取扱い、利子の有無、について説明します。
押さえておきたい債権の基礎知識
債券は資金調達の手段として用いられる一種の借金のことです。
債券は、国や地方公共団体、企業などが一般の投資家から借り入れを行う目的で発行され、満期まで待てばお金が戻ってくるほか、利子も得られます。
引用:債券とは?(岡三証券)
債券の発行目的
債券という仕組みは、国や地方公共団体、企業等が資金調達の手段として利用する制度で、債券を発行することで、買い入れた投資家等は、提示されている期日(満期日)、額面金額、利子率、利払日、に応じて償還を受けたり、市場の動向に応じて途中で売却したりなど自由に取引します。
発行元で名称に違いがあり、国が発行する債券は国債、地方公共団体が発行する場合は地方債、企業が発行するものは社債といいます。

ファイナンシャルプランナーの勉強をしていると、公社債という言葉がよく出てきますが、これは、国債、地方債、社債をあわせて、そう呼んでいます。
公社債の評価額計算については以下の記事で解説しています。
債券には額面金額が記載されていますが、この金額は提示されている償還日に、減額などされず、額面金額がそのまま支払われます。
債券の発行価格による違い
債券は額面100円あたりの金額で表示されており、債券が発行されるさい、額面100円と同額で発行される場合をパー発行といい、100円を超える価格で発行される場合をオーバーパー発行、100円未満の価格で発行される場合をアンダーパー発行といいます。
償還時の差損益
債券は満期まで保有していれば、額面金額で償還されますが、そのさい購入価格(発行価格)と比べて利益や損失が発生する場合があります。
額面100円を超える価格で発行されたオーバーパー発行の場合は、額面との差額が損失となり、これを償還差損といいます。
一方、額面100円未満の価格で発行されたアンダーパー発行の場合は利益が発生します、これを償還差益といいます。
また、債券は償還日(満期日)まで待たずに、途中で売却することもできますが、債券は市場金利の影響を受けやすく、金利が上昇している局面においては債券価格が下落していることが多いので、売却のタイミングには注意が必要です。

反対に市場金利が低い場合は債券価格は上昇します。
債券を満期まで保有すると元本またはあらかじめ約束した金額(額面金額)を受け取ることができます。もちろん途中売却も可能ですが、原則としてそのときの時価で換金されるため、元本割れの可能性もあるので注意が必要です。
引用:債券って、必ず満期まで持っていないといけないの?(日本証券業協会)
債券の利子
先ほど説明した償還時の差損益を考えると、「償還時に損失が出るオーバーパー発行で購入する意味はあるのだろうか?」と疑問に思われたかもしれませんが、オーバーパー発行の場合、利子が他に比べて高い傾向にあります。
なお、額面に対する利子の割合を利率(クーポンレート)といい、利子がつく債権を利付債といいます。

アンダーパー発行の場合は利子がつかない場合がほとんどで、償還時の額面と発行価格の差額が利益となります。このタイプを割引債(ゼロクーポン債)といいます。
<わかりやすい解説動画>
債券って、なに? マネーの世界 教えて高井さん【NIKKEI まねび】
さいごに
今回のファイナンシャルプランナー資格講座では債券の基礎知識について説明させていただきました。
パー発行やオーバーパー発行など普段の暮らしでは耳に入ってこない、聞き慣れない言葉ですので、最初は大変かもしれませんが、1つずつ覚えていきましょう。
債券関連のFP資格講座は以下の記事も参考にしてください。