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終価係数や資本回収係数など6つの係数の意味と使いかた【FP】

終価係数や資本回収係数など6つの係数の意味と使いかた【FP】

こんにちは。

1級FP技能士(ファイナンシャルプランナー)のhanaです。

今回のFP2級、3級講座は終価係数などの6つの係数の意味や使いかたを説明していきます。

hana
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係数の使いかたをマスターすれば資格試験はもちろん、ファイナンシャルプランナーとしての活動にも役立ちますので、しっかり押さえておきましょう!

6つの係数とは

係数とは年数と利率をもとに定められた数値を使うことで、○年後の複利運用による元利合計金額はいくらになるのか、や、目標金額を達成するために必要な毎年の積立額などを即座に求めることができる便利なものです。

以下6つの係数についてそれぞれ解説します。

係数 算出可能な金額
終価係数 現在の元本を複利で運用した場合、一定期間後に元利合計額はいくらになるのか
現価係数 一定期間後に目標金額を達成するためには現在いくらの元本が必要なのか
年金終価係数 毎年一定金額を複利運用で積み立てた場合の一定期間後の元利合計額¥
年金現価係数 現在の元本を複利運用しながら、かつ、その元本を毎年一定額取り崩す場合に現在必要な元本
減債基金係数 一定期間後に目標金額を受け取るために必要な毎年の積立額
資本回収係数 現在の元本を複利運用しながら、毎年一定金額を取り崩す場合の取り崩し可能額

なお、複利とは元本に利息を再投資して運用することですが、初めて耳にする人にとってはわかりづらい言葉ですので少し説明します。

複利とは
利子にもまた利子がつくこと。
引用:複利とは(金融広報中央委員会)

「例題:100万円の元本を年利10%で運用する場合」

(1年目)100万円×10%=10万円の利息が発生

2年目は、1年目に発生した利息(10万円)を元本に加えて運用します。

(2年目)110万円×10%=11万円の利息が発生

3年目は、1年目と2年目の利息を元本に加えます。

(3年目)121万円×10%=12万1,000円の利息が発生

4年目はさらに…

このように複利で運用する場合は発生した利息を元本に加えて再投資しますので運用効率があがりやすい、というメリットがあります。

終価係数

終価係数とは現在の元本を複利で運用した場合、一定期間後に元利合計額はいくらになるのか、を求めることができます。

現在の元本×終価係数=一定期間後の元利合計金額

係数表の一部を掲載します。

係数表

これは期間5年かつ利率3%の場合の各種係数です。FP資格試験では、資料として問題用紙に係数表が掲載されていますので、この数値を覚える必要はありません。

hana
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各係数の意味と使いかたを覚えるだけでOKです!

先ほどの終価係数で試しに計算してみると

100万円の元本を5年間、利率3%の複利で運用する場合の元利合計額は

100万円×1.159=115万9,000円となります。

現価係数

現価係数は一定期間後に目標金額を達成するためには現在いくらの元本が必要なのか、を求めることができます。

目標金額×現価係数=現在必要な元本

例えば、年利3%複利で運用して5年後に100万円を達成するためには現在いくらの元本が必要か、を計算すると…

100万円×0.863=86万3,000円が必要な元本だとわかります。

年金終価係数

年金終価係数は毎年一定金額を複利運用で積み立てた場合一定期間後の元利合計額を求めることができます。

毎年の積立額×年金終価係数=一定期間後の元利合計額

例えば、毎年10万円を年利3%複利で5年間積み立てた場合の元利合計額は…

10万円×5.309=53万900円となります。

終価係数に『年金』と頭についていますが、この2つの違いは終価係数は現在手元にある元本だけで運用するのに対して、年金終価係数は毎年資金を積み立てていくところです。

年金現価係数

年金現価係数は現在の元本を複利運用しながら、かつ、その元本を毎年一定額取り崩す(受け取る)場合に現在必要な元本を求めることができます。

毎年取り崩す金額×年金現価係数=現在必要な元本

例えば、年利3%複利で運用しながら、毎年50万円を5年間受け取りたい場合に必要な現在の元本は…

50万円×4.580=229万円となります。

減債基金係数

減債基金(げんさいききん)係数は一定期間後に目標金額を受け取るために必要な毎年の積立額を求めることができます。

目標金額×減債基金係数=必要な毎年の積立額

例えば、年利3%複利で運用して5年後に100万円を達成するには毎年いくら積み立てる必要があるか、を計算すると…

100万円×0.188=18万8,000円となります。

資本回収係数

資本回収係数は現在の元本を複利運用しながら、毎年一定金額を取り崩す場合の取り崩し可能額を求めることができます。

現在の元本×資本回収係数=毎年の取り崩し可能額

例えば、100万円の元本を年利3%複利で運用しながら5年間にわたって毎年取り崩す場合の毎年の取り崩し可能額は…

100万円×0.218=21万8,000円となります。

また資本回収係数ではローン等の借入額から毎年の返済額を求めることも可能です。

例えば、50万円を金利3%で5年間で返済する場合の毎年の返済額は…

50万円×0.218=10万9,000円となります。

ここまでで紹介した6つの係数を「実際に計算してみたい!」という場合は、以下の計算サイトも便利です。

資産運用の6つの係数

 

<係数 分かりやすい動画>

6つの係数の覚え方

さいごに

今回はFP2級、FP3級試験でよく出題される6つの係数についてお伝えしました。

係数は慣れないうちは「あれ、どの場合が、どの係数だったかな?」と悩むシーンもあるかと思いますが、一度使いかたを覚えてしまえば非常に便利な数値ですし、ファイナンシャルプランナー試験においても得点源になる項目です。

今回使用した係数表はすべて期間5年、利率3%のものですが、ネットなどで検索すると様々な期間、利率での係数を確認することができますので、いろんなケースを想定して係数を使ってみると記憶の定着も早まると思います。ぜひお試しくださいませ。

複利の仕組みや、複利運用した際の「法則」については以下の記事で解説しています。