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ドルコスト平均法にはメリットと最悪なケースがある話【計算例】

ドルコスト平均法にはメリットと最悪なケースがある話【計算例】

こんにちは。

ファイナンシャルプランナー(1級FP技能士)のhanaです。

今回は↓

証券会社の人に長期投資をするならドルコスト平均法がおすすめと言われましたがドルコスト平均法とは何ですか?

こんな疑問を解決します。

ドルコスト平均法とは

ドルコスト平均法とは、長期投資に用いられる手法で株や投資信託などを毎月や3カ月毎、1年ごとなど定期的に一定額ずつ(例えば1万円ずつ)買い付けることで購入単価を平準化する投資法です。

同じ金融商品への投資であっても、投資期間を長くして少しずつ買うことによって取得価格が平均化されるため、期間が長くなればなるほど価格変動による影響を受けにくくなります。
引用:「ドルコスト平均法」の鉄則をやさしく解説(京葉銀行)

ドルコスト平均法の効果

ドルコスト平均法の効果をお伝えするために例を提示します。

hana
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なお、ドルコスト平均法を説明するためのかなり恣意的な(悪意すら感じられる)例ですので、結果に驚かれるかもしれませんが、あくまでシミュレーションですのでご注意ください。

例:一口3万円の投資信託を一括で50万円分購入した場合と毎月10万円ずつ5回にわけて購入した場合

条件:投資信託の価格は5か月後、一口2万円に値下がりしているものとする

一括で購入した場合

一口3万円が2万円に値下がりしていますので33.3%下落(小数点第2以下切捨て)したことになります。

その結果50万円分の投資信託は33万3,000円になります。

毎月一定額を買い付けた場合

一口3万円が5か月後2万円に値下がり(33.3%下落)しているのは一括購入の場合と同じです。

ですが、一口3万円の価格が2カ月目は2万5千円、3カ月目は1万円、4カ月目は5千円、5カ月目は1万5千円、5カ月後に2万円と推移していた場合

購入月:10万円÷3万円=3.3口購入

2カ月目:10万円÷2万5千円=4口購入

3カ月目:10万円÷1万円=10口購入

4カ月目:10万円÷5千円=20口購入

5カ月目:10万円÷1万5千円=6.6口購入

上記の口数を合計すると43.9口となります。

5カ月後の価格(一口2万円)×43.9口=87.8万円

毎月10万円分を5回に分けて購入した場合、総投資額50万円の投資信託が87万8,000円と大幅に儲けを出すことができました。

hana
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投資額50万円に対して一括購入は33万3千円、ドルコスト平均法による買い付けは87万8千円と相当な差が生まれましたが、これがドルコスト平均法の時間分散のメリットです。

上記の計算結果からわかるようにドルコスト平均法が効果(メリット)を発揮した要因は、相場が暴落(下落)した時期に大量に買い付けができたおかげです。

時間を分散して購入できますので、ドルコスト平均法には相場の天井(スッ高値)で購入してしまうことを避ける効果や定期的に買い付けるため一度に多額の費用を用意しなくていい(少額でコツコツできる)などのメリットがありますが、同時にデメリットもありますので、これより紹介します。

ドルコスト平均法のデメリット

ドルコスト平均法のデメリットとしてまずあげられるのは、相場のトレンドが一方向にのみ動いた場合です。

上昇を続ける相場と下降し続ける相場にわけて説明します。

相場が上昇し続ける場合

相場が上昇し続ける場合とは、例えば一口3万円だった投資信託が2カ月目は4万円、3カ月目は5万円と価格が上がり続けていく場合です。

このケースでは仮に50万円分を投資する場合、一括購入したケースが儲けは大きくなります。

相場が下降し続ける場合

相場が下降し続ける場合とは、例えば一口3万円だった投資信託が2カ月目は2万円、3カ月目は1万円と価格が下がり続け上昇に転じない場合です。

このケースでは50万円分を投資するケースで言えば、一括購入よりは購入単価を下げることができますが、相場が上昇に転じて購入単価を上回る水準にならないかぎり損失の状態です。

hana
hana

「購入単価が下がってラッキー」と前向きに考えるか、「ナンピン地獄」と考えるかは投資家の自由です。

ドルコスト平均法の最悪なケース

この記事の最後にドルコスト平均法による最悪のケースを紹介します。

例題や条件は今回ドルコスト平均法のメリットを説明したものとあえて同じものを使います。

例:一口3万円の投資信託を一括で50万円分購入した場合と毎月10万円ずつ5回にわけて購入した場合

条件:投資信託の価格は5か月後、一口2万円に値下がりしているものとする

FP資格とお金の情報サイト

一括購入の場合はメリットの項目でお伝えしたように50万円が33万3,000円になります。

ドルコスト平均法を活用した場合、5カ月後の最終的な価格は1口2万円だった場合でも価格の推移が購入時一口3万円の価格が2カ月目は5万円、3カ月目は7万円、4カ月目は6万円、5カ月目は3万円であった場合

購入月:10万円÷3万円=3.3口購入

2カ月目:10万円÷5万円=2口購入

3カ月目:10万円÷7万円=1.4口購入

4カ月目:10万円÷6万円=1.7口購入

5カ月目:10万円÷3万円=3.3口購入

上記の口数を合計すると11.7口となります。

5カ月後の価格(一口2万円)×11.7口=23万4,000円

hana
hana

に…23万4,000円…総投資額50万円が半額以下になりました。

上記のように購入時より相場が上昇に転じて下落した場合などはドルコスト平均法によるパフォーマンスはかなり悪化してしまいます。

その他、ドルコスト平均法には以下のようなデメリットもあります。

ドルコスト平均法のデメリット
1. 短期間で効果が見えにくい
2. 手数料がかかる場合がある
引用:ドルコスト平均法とは?メリットやデメリット、取り組み方を解説(auじぶん銀行)

<わかりやすい解説動画>

<ドル・コスト平均法とは JSDAmovie>

さいごに

今回の記事ではドルコスト平均法の時間分散によるメリットと相場のトレンドによるデメリットをお伝えしました。

長期間の分散投資に効果的だと考えられているドルコスト平均法ですが、一定のデメリットがあることも考慮して活用することが大切です。

投資信託や株式売買に役立つ「株の本」のおすすめを以下で紹介しています。あわせて参考にしてください。