こんにちは。
ファイナンシャルプランナー(1級FP技能士)のhanaです。
投資型クラウドファンディングには「不動産投資型」「株式投資型」「ソーシャルレンディング(融資型)」がありますが、このうち「不動産投資型」と「ソーシャルレンディング(融資型)」は1万円から投資できる事業者が多いため、上場株式のようにまとまった資金を必要とせず、投資家にとって「はじめやすい」資産運用方法として市場規模も拡大傾向にあります。
ただし、1万円から少額投資できる「はじめやすい資産運用方法」イコール「リスクが低い」ということではありませんので、投資にあたっては「募集案件の内容」とともに「投資型クラウドファンディング事業者の実績」や「投資家保護の取組み」といった事業者ごとの特徴まで含めて比較検討することが望ましいです。
そこで、この記事では1万円から投資可能な投資型クラウドファンディング事業者の特徴と案件例をわかりやすく解説します。
海外の高利回り案件に投資できる事業者
クラウドクレジット株式会社が運営する【クラウドクレジット】は海外の金融事業者やフィンテックやセキュリティ関連などのベンチャー企業に投資できるソーシャルレンディングサービスです。
(クラウドクレジットで投資可能なファンド一例)
【ロシアルーブル建て】欧州フィンテック事業者支援ファンド23号
表面利回り11.0%、運用期間25カ月
【メキシコペソ建て】メキシコ女性起業家支援ファンド24号
表面利回り8.0%、運用期間19カ月
※海外案件でも「円建て」で投資できるタイプもあります。
クラウドクレジットでは13カ月~31カ月程度の運用期間が設定されたファンドが多く、表面利回りは6.0%~12.0%ほどの高利回りとなっています。
ただし外貨建ての海外案件には「為替リスク」がありますので、ファンドの事業計画が上手くいったとしても購入時よりも円高に推移して満期をむかえることで元本割れする可能性があります。
そのため外貨建て商品への投資には注意が必要です。
クラウドクレジットは、募集案件に円建て外貨建ての別を明確に記載しており、リスクの高い投資先には目立つように注意喚起もしていますので、投資家に対する説明責任や投資家保護につながる取組みがある事業者と言えます。
【クラウドクレジット】【公式サイト】
債務保証のある融資先に投資できる事業者
ジャスダック上場企業の子会社であるSAMURAI証券株式会社が運営する「SAMURAI FUND(サムライファンド)」は不動産事業者や金融関連の事業者に投資できるソーシャルレンディングサービスです。
(サムライファンドで投資可能なファンド一例)
日本保証 保証付きファンド6号
目標利回り6.0%、運用期間11カ月
「日本の企業を元気に!」事業支援ファンド8号
目標利回り7.0%、運用期間6カ月
サムライファンドは6カ月~12カ月程度の短期案件が多く、目標利回りは5.0%~7.0%程度となっています。
証券会社が運営しているサムライファンドは資産要件等をより厳格に規定した「第一種金融商品取引業」の登録事業者であり、案件の多くに「株式会社日本保証」による債務保証(融資先の返済を保証する)を設定していますので、投資家保護の仕組みがある事業者と言えます。2021年2月現在における運用ファンドの元本回収率100%(元本割れなし)。
SAMURAI FUND【公式サイト】
地域医療機関支援ファンドなどに投資できる事業者
「バンカーズ」は地域医療支援機関や不動産事業者などに投資できるソーシャルレンディングサービスです。運営は証券や銀行業務の経験者が多くが在籍している株式会社バンカーズ。
昭和44年創業の歴史のある会社ですがソーシャルレンディングサービス自体は2020年12月から取扱いを開始しているため案件数は3件にとどまります。(2021年2月現在)
(バンカーズで投資可能なファンド一例)
バンカーズ地域医療支援機関・商業手形ファンド1号
目標利回り2.68%~3.45%、運用期間4カ月
バンカーズ地域医療支援機関・商業手形ファンド2号
目標利回り2.73%~3.51%、運用期間12カ月
※上記2案件は1万円から投資可能ですが、案件によっては2万円~など異なる場合がありますのでご注意ください。
バンカーズは商業手形割引や手形担保融資などの金融取引に強みがある会社ですので、今後の案件に期待したいところです。
バンカーズ【公式サイト】
ポイントで不動産に投資することもできる事業者
東証一部上場企業のプロパティエージェント株式会社が運営する「Rimple(リンプル)」はマンションを対象にした不動産投資型クラウドファンディングです。
(リンプルで投資可能なファンド一例)
Rimples Selection #2(クレイシア秋葉原)
予定分配率5.0%、運用期間6カ月
リンプルでは2021年2月現在10件のファンドを公開しています
1万円から投資でき、分配金利回りは4.0%~6.0%程度、運用期間は6カ月~12カ月となっています。
リンプルでは現金以外にもリンプル独自の「1コイン=1円」の価値がある「リアルエステートコイン」で不動産案件に投資することができます。
他社のポイント(セゾンカードの永久不滅ポイント、モッピー、ハピタスなど)をリアルエステートコインに交換することもできますので、ポイント所持数によっては現金を使わずに不動産投資をすることも可能です。
※交換可能なポイントは今後も追加されていく予定。
優先出資・劣後出資としてリンプルが劣後出資30%を引き受けますので、投資家は不動産に生じた損失が30%までであれば元本割れしない仕組みがあります。
Rimple(リンプル)【公式サイト】
マンションだけでなくオフィスビルや商業施設にも投資できる事業者
クリアル株式会社が運営する「CREAL(クリアル)」は住宅用マンションやオフィスビル、ホテル、保育園など様々な不動産に投資できる不動産投資型クラウドファンディングです。
(CREALで投資可能なファンド一例)
ビバリーホームズ戸越公園Ⅱ(賃貸マンション)
想定利回り4.0%、想定運用期間12カ月
両国駅前ビル(オフィスビル)
想定利回り6.5%、想定運用期間15カ月
クリアルでは6カ月~24カ月程度の運用期間となる案件が多く、想定利回りは3.0%~6.5%程度となっています。
投資対象のオフィスビルにはコロナの影響を加味した対策や、各不動産の空室リスク対策としてマスターリース契約(賃料保証)を行うなど配当金支払いの確実性を高める取り組みがあります。
そのためすべてのファンドで元本割れや配当遅延は発生しておらず、提示されている想定利回りで配当が実施されています。(2021年2月現在)
日本マーケティングリサーチ機構の調べで運用資産残高1位の同社は投資家に対する説明責任として物件にかかる詳細情報を提供しており、会員登録(メールアドレスの登録のみ)で物件の詳細なリターンや1級建築士事務所のエンジニアリングレポートが閲覧できるので投資したい案件をみつけてから投資家登録をすることも可能です。
優先出資・劣後出資としてクリアルが劣後出資10%~20%を引き受けますので、投資家は不動産に生じた損失が10%~20%までであれば元本割れしない仕組みがあります。
CREAL【公式サイト】

以上、1万円から投資できるクラウドファンディング事業者5選でした。