カードローンの返済方法には「約定返済」という毎月○日などの定められた日(または利用者が指定した日)に返済する方法と、支払いに余裕のあるタイミングなどに任意でコンビニATMやネット振込を利用して返済する「臨時返済」があります。
このうち「遅延」や「延滞」などの問題が発生してしまうのが毎月○日などの定められた日に支払う約定返済です。
うっかり約定返済日を忘れてしまった場合や、他の支払いが重なって口座残高が不足した結果引き落としができなかった場合など、遅延や延滞をした場合のデメリット すぐにカードローン会社に連絡して(もしくは連絡がきて)対応すれば、大きな問題に発展するケースは少ないのですが、カードローン会社からの連絡を無視して放置してしまうなど「遅延」の状態が長引くとカードローンの利用が停止になるだけでなく信用情報にキズがついてしまう可能性もあります。
そこで、この記事でははじめにカードローンを利用するうえで把握しておきたい「返済方法に関する知識と利息」についてお伝えし、次に「遅延や延滞した場合に起こり得るデメリット、返済できそうにない場合の対処法」を解説します!
カードローンの返済
カードローンはカードローン会社所定の審査によって付与された借入限度額の範囲内であれば自由に何度でもお金を借入れることができますが、お金を借入れたら当然返済しなければなりません。
カードローンの返済について押さえておきたいポイントは「返済方法」と「利息」です。下記それぞれ解説します。
カードローンの返済方法は2種類
記事冒頭でもお伝えしましたがカードローンの返済方法には「約定返済」と「臨時返済」の2種類があります。
約定返済とはカードローン会社が定める返済日(毎月○日や前回返済日の翌日から○日ごと、など)やカードローン会社によっては複数用意されている返済日からカード利用者が事前に選択した返済日に口座振替やATM返済、口座振込によって返済する方法です。
臨時返済とはお金に余裕がある場合など任意のタイミングで銀行やコンビニのATM、口座振込によって返済する方法です。返済額は元金部分に充当されますので支払利息の軽減に効果があります。
※臨時返済はカードローン会社によっては「随時返済」「任意返済」「追加返済」「繰り上げ返済」など呼び方が異なる場合があります。
臨時返済はあくまでも追加で返済することですので、約定返済日には借入残高に応じた所定の金額を返済しなければなりません。
そのため総支払額を軽減する目的などで「臨時返済」を利用する場合は次回の約定返済のことも考慮して活用しましょう。
カードローンの利息
カードローンの利用には所定の利息が発生します。
利息のパーセンテージは各カードローン会社やカードローンの種類で異なっていますが、一般的に借入限度額が高い場合は低めの利息(金利)設定となり、借入限度額が低い場合は利息(金利)が高く設定される傾向があります。
下記、借入額に対するおおよその利息を把握するための計算式と計算例です。
利息の計算式
借入金額×金利(%)×借入日数÷365日=支払利息
利息の計算例
例:30万円を金利15.0%で300日間借入れた場合
30万円×15.0%×300日÷365日=約36,986円(支払利息)
借入金額や金利が同一条件でも借入期間が短くなると下記のように支払利息が軽減します。
例:30万円を金利15.0%で90日間借入れた場合
30万円×15.0%×90日÷365日=約11,095円(支払利息)
適用される金利に関してはカードローン会社の審査によりますので利用者がコントロールすることは難しいですが、①借入期間をできるだけ短くする②借入金額を必要最小限におさえる③約定返済分も考慮したうえで「臨時返済」を活用する、といったカードローン利用をすることで支払利息をおさえることが可能です!
遅延や延滞をした場合のデメリット
カードローンの返済に遅れた場合、「カードローンの利用停止」「遅延損害金の発生」「信用情報への記録」の3つがおもなデメリットとしてあげられます。
カードローンの利用停止
カードローンの返済に遅れてしまうと契約しているカードローンが利用停止になる可能性が高いです。なお、利用停止になるタイミングは各カードローン会社で異なっています。
遅延損害金の発生
カードローンの返済に遅れてしまうと遅延日数(延滞日数)に応じて各カードローン会社所定の遅延損害金が発生します。
※遅延損害金の利率は利息制限法によって年20.0%を上限として設定されています。
各カードローン会社の遅延損害金に係る利率は上限である年20.0%に設定されているケースや通常の借入金利よりも高く設定されていることが多いので、遅延は利用者にとって大きな負担となってしまいます。
遅延損害金の計算式
借入金額(借入残高)×遅延損害金の利率×遅延日数(延滞日数)÷365日=遅延損害金
遅延損害金の計算例
例:借入残高50万円、遅延損害金の利率20.0%、遅延日数20日の場合
50万円×20.0%×20日÷365日=約5,479円(遅延損害金)
遅延損害金は返済に遅れることで1日ごとに増えていきます。そのため返済遅延の状態が長引けば長引くほど遅延損害金も膨れ上がりますのでご注意ください。
信用情報への記録
カードローンの返済が3カ月以上などの一定期間(※カードローン会社で異なる)滞ることで、その延滞に係る情報が信用情報機関に金融事故として記録登録される可能性があります。
これを「信用情報に傷がつく」や「ブラックリストに載る」とも言いますが、金融事故として記録登録されてしまうと現在利用しているカードローンだけでなく、新規のクレジットカード発行や他のローンにも影響が出る可能性がありますので、返済に遅れている場合は、その状態を放置せずできるだけ早くカードローン会社に連絡・相談をするようにしましょう。
返済に遅れそうな場合の対処法
返済日にカードローンの返済ができなかった場合や返済遅延が長引き「延滞」や「滞納」の状態になった場合のカードローン会社の対応はそれぞれ異なっていますが、一般的な傾向としてはメールや電話、書面での連絡に応じず、一定期間返済が行われない場合、遅延損害金も含めて一括で返済を請求される可能性が高いです。
さらに一括請求にも応じず、返済をしない状態が長期化すると最終的には裁判などの法的手続きによって財産等の差し押さえが実施される可能性があります。
こういった事態に陥らないためにも返済に遅れそうな場合はできるだけ早くカードローン会社に連絡することが大切です。
カードローン会社によって対応が異なりますので一概には言えませんが、「支払期日の延長」や利息分だけや返せる金額だけなどの「返済額の軽減」が可能な場合がありますので、連絡相談をすることによって返済遅延や延滞を回避できるケースがあります。
さいごに
カードローンは事業性資金には利用できないケースがあるものの原則として使いみちの制限はなく借入限度額の範囲内であれば何度でも借入可能ですので暮らしの様々なシーンで活用しやすいといえます。
一方で記事内でも紹介しました通り、返済に遅れてしまうと「遅延損害金」が発生したり、一定期間返済をせずにいることで信用情報にその旨が記録登録されてしまったり、というデメリットもあります。
そのためカードローンの利用には事前に返済計画までたてて使用するなどの「計画性」が大切です。