こんにちは。
ファイナンシャルプランナー(1級FP技能士)のhanaです。
この記事では↓
・エンゲル係数とは何のこと?
・エンゲル係数の計算方法が知りたい
・わが家のエンゲル係数が妥当なのか知りたい
といった疑問にお答えします。
エンゲル係数とは簡単に言えば「食費の割合」のことです。家計管理の参考になる指標ですのでぜひご覧ください!
エンゲル係数とは
エンゲル係数とは家計の消費支出に占める食費割合のことです。
ドイツの社会統計学者エルンスト・エンゲル氏によって提唱されたため「エンゲル係数」と呼ばれています。
エンゲルの法則
エンゲル氏は「所得水準が高くなればなるほどエンゲル係数は低くなる」ことを労働者の家計調査によって発見されました。
所得が増えると家計の消費支出も増える傾向にありますが、そのなかに占める食料費の割合は低くなるということです。
これをエンゲルの法則といいます。
収入が増えて支出総額も増えたとしても食費に関しては外食の頻度は上がるかもしれませんが「食べる量」自体はそんなに変わりませんよね
このことからエンゲル係数は家計の食費割合を把握するだけでなく「生活の余裕度・ゆとり」を知ることができる家計(生活)指標の一つと考えられています。
※一般的にエンゲル係数が低いほど家計に余裕があると判断されますが、所得が一定の水準未満になると家賃や携帯代、水道光熱費等の固定費を支払うために食費を削減させる傾向にあるためエンゲル係数も低く算出されます。
経済学者の飯田泰之は、日本では、中間層の方が食費にあてる割合が高いとしている
引用:エンゲル係数 有用性の議論(Wikipedia)
エンゲル係数の計算方法
エンゲル係数の計算式はとてもシンプルです。
エンゲル係数の計算式
食費÷消費支出×100=エンゲル係数(%)
※エンゲル係数は通常、月単位の食費と消費支出で求めます
食費(食料)に含まれるもの
食費に含まれる食料品目
・穀類(米、パン、麺類など)
・魚介類(生鮮魚介、魚肉練製品(ちくわ、かまぼこ等)など)
・肉類(生鮮肉、加工肉)
・乳卵類(牛乳、乳製品、卵)
・野菜(生鮮野菜、海藻、大豆加工品など)
・果物(生鮮果物、加工品)
・油脂/調味料
・菓子類
・調理食品
・飲料
・酒類
・外食
外食費も食費に含まれますので計算するさいはご注意ください。
消費支出の計算方法
消費支出には家賃、光熱費、通信費など多数の支出項目がありますが、これを一つ一つ計算するのは手間ですので便宜的に求めます。
消費支出の計算式
収入-(①+②+③+④+⑤)=消費支出
①所得税・住民税
②社会保険料(年金、健康保険など)
③預金や貯金にまわした貯蓄額
④民間保険の保険料
⑤ローン返済額
※ローン返済額は住宅ローンも含みます
上記の通り住宅ローン返済額は計算のさい除外されますが、賃貸物件等の家賃は除外されませんので消費支出に該当することになります。
このことから同じ所得水準で消費支出や食費もほぼ同じといった場合でも持家(住宅ローン返済中)か賃貸住まいかでエンゲル係数が大きく異なる可能性があります。
エンゲル係数の目安
エンゲル係数は「食費÷消費支出×100」で計算できますので、例えば食費が5万円で消費支出が20万円であれば25%となります。
数値が低いほど家計に余裕やゆとりがある(言いかえると数値が高いほど生活が苦しい)と判断されますが、はたして25%は高いのか低いのか。
判断のためにエンゲル係数の「期間別」「収入別」の統計を掲載します。
期間別エンゲル係数の推移
総務省統計局の家計調査によると二人以上の世帯を対象にしたエンゲル係数は1946年(昭和21年)は65%を超えていました。
そこから減少に転じ昭和28年は48.5%、昭和37年には40%を下回り39%、昭和54年には29.2%と社会経済の発展成長とともにエンゲル係数も低下しています。
2000年代は24%を下回る数値で推移していましたが2015年、2016年に数値の上昇がみられ2016年から2019年度は26%程度となっています。
※二人以上世帯か勤労者世帯かで平均数値に違いがあり、統計期間のすべてにおいて勤労者世帯が低い傾向です。
参考にした資料:総務省統計局ホームページ(統計Today NO.129)
収入別でみたエンゲル係数
二人以上世帯の年間収入を最も低いⅠ(209万円)から最も高いⅩ(1441万円)までの10区分にした2017年度のエンゲル係数は収入が高くなるにつれてエンゲル係数に低下がみられました。
最も収入が低いⅠの場合で31.2%、中間のⅤで26.9%、Ⅹで21.4%のエンゲル係数となっています。
エンゲル係数の改善
エンゲル係数は国全体でみた豊かさ(経済や社会の発展度合いなど)や世帯の所得別(その他にも年代別、世帯構成別、地域別等)によっても平均値に違いがありますので一概に○%がいいと論じることができない係数です。
ただし、同一の世帯で家族構成や収入、また物価変動などの影響もなく食費が年々あがった結果エンゲル係数が上昇している場合は改善が必要かもしれません。
食費の改善策(一例)
・毎月の食費を事前に設定してその金額内でやりくりする
・外食の回数を減らす
・買い物は必要なものを必要なぶんだけ買うように見直す
ありきたりで平凡な改善策で申し訳ないのですが、案外こういった基本的なことが家計改善につながりますので書きました!
ただし、食費は節約しすぎてもよくないケース(栄養の問題など)もありますのでほどほどに楽しみながらする程度がいいかもしれません。
<エンゲル係数 関連動画>
<みんなの平均>世代別・地域別の食費の平均は?|タマルTV【イオン銀行】
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家計の節約に効果的な固定費の見直し方法については、以下の記事で解説しています。あわせて参考にしてください。