こんにちは。
ファイナンシャルプランナー(1級FP技能士)のhanaです。
今回は↓
申告すべき相続税が発生したけど、正直払いたくないなあ…
もし払わなかったらどうなるのだろうか?
こんな疑問にお答えします。
記事の構成は、相続税の申告納付に、①遅れた場合、②少なく申告した場合、③申告しなかった場合、④かなり悪質な場合、の順番でどんなペナルティを課されるのかを解説します。
最後に特殊なケースによる例外規定もあわせてお伝えします。
相続税無申告などの4種類のペナルティ
相続税は相続の開始(被相続人の死亡)があったことを知った日の翌日から10カ月以内に申告納付しなければなりません。
申告等をしなかった場合は内容に応じて延滞税・加算税が課せられてしまいます。
延滞税
相続税の納税期限までに納付が完了していない場合、延滞税が発生します。
延滞税の対象
これは全額納めていない場合だけでなく一部払っていない相続税額がある場合や、税額の間違いを訂正した場合などに納付しなければならない相続税額が発生した場合も該当します。
延滞税は納期限の翌日から納付する日までの日数に応じて課されます。
延滞税の税率
税率は納期限の翌日から2カ月までは、原則として年7.3%(令和2年12月31日までは特例基準割合が適用されて年2.8%)となっております。
納期限の翌日から2カ月経過後は、原則として14.6%( 令和2年12月31日までは特例基準割合が適用されて年8.9% )
延滞税の計算
延滞税の対象となる相続税に10,000円未満の端数がある場合は切り捨てて計算します。
また延滞税に100円未満の端数がある場合も切り捨てて納めることになります。
延滞税の対象はあくまで相続税です。もし、他の加算税の対象になっていても、加算税に対して延滞税は発生しません。
過少申告加算税
過少申告加算税とは、期限内に申告納税をしたが、申告した納税額が少ない場合や申告漏れがある場合に税務署から指摘を受けて課せられる税金です。
この場合、過少申告加算税に加えて延滞税も発生します。
過少申告加算税が課されない場合
過少申告加算税は、税務署から指摘が入る前に自主的に過少申告分を修正した場合は加算税は課せられません。
過少申告加算税の税率
税務調査の事前通知から実際に税務調査を受けるまで
税率5%の過少申告加算税が相続税の不足額に対して課税(ただし、期限内に申告した税額と50万円のうち高い側の金額を超える部分については税率10%)
実際に税務調査を受けてから納税
税率10%の過少申告加算税が相続税の不足額に対して課税(ただし、期限内に申告した税額と50万円のうち高い側の金額を超える部分については税率15%)
無申告加算税
相続税を申告納税する必要がある場合に申告しなかったことで課せられる税金です。
無申告加算税の税率
税務署からの事前通知より前に自主的に申告した場合
税率5%の無申告加算税
税務調査の事前通知から実際に税務調査を受けるまで
相続税額のうち50万円以下の部分は税率10%、50万円を超える部分は税率15%
実際に税務調査を受けてから納税
相続税額のうち50万円以下の部分は税率15%、50万円を超える部分は税率20%
さらに10%が加算される(無申告加算税)
過去5年以内に無申告加算税や重加算税を課されたことがある場合は、さらに税率10%が加算されます。
重加算税
相続税を逃れるために意図的に財産を隠すことや偽装工作など特に悪質な場合に課せられる税金です。
重加算税の税率
相続税を意図的に少なく申告した場合は税率35%の重加算税、意図的に申告しなかった場合は税率40%となります。
意図的である場合は重加算税に該当しますので過少申告加算税または無申告加算税は課されません。
さらに10%が加算される(重加算税)
過去5年以内に無申告加算税や重加算税を課されたことがある場合はさらに税率10%が加算されます。
特殊な事情がある場合
相続税の申告納付は原則として延長はできないのですが、一定の特殊な事情があり申告期限までに申告ができない場合は税務署に申請することで最大2カ月間期限を延長することができます。
特殊な事情
・相続人の異動があった場合
・ 遺留分の減殺請求があった
・遺贈にかかる遺言書がみつかった
・すでに生まれたとみなされる胎児(相続人)が生まれた
さいごに
今回の記事では相続税の申告をしない場合のペナルティとして、延滞税、過少申告加算税、無申告加算税、重加算税、あわせて申告期限を延長できる一定の特殊なケースについて説明しました。
「たぶん大丈夫だろう」と安易に申告を無視してしまうとバレたときが大変ですね。
で、ですね…(汗)
以上、「相続税の申告をしない場合の4種類のペナルティを解説」でした。