こんにちは。
ファイナンシャルプランナー(1級FP技能士)のhanaです。
今回のFP2級、3級資格講座はライフプランニングと資金計画から雇用保険について、制度の概要と4つの給付を中心に学習していきます。
雇用保険とは
雇用保険制度とは失業時の手当てや再就職の支援、雇用保険加入者の能力開発等を目的に公共職業安定所(ハローワーク)が窓口となって各種給付等を行う制度です。
雇用保険の被保険者(加入対象者)は会社の役員や個人事業主を除くすべての労働者が対象です。
非正規雇用の人は1週間の所定労働時間が20時間以上、かつ、雇用継続の見込みが31日以上あることが要件となります。
パートやアルバイトも、31日以上の雇用で、週20時間以上のシフトが見込まれる場合は、雇用保険の被保険者となります。
引用:パート・アルバイトも雇用保険の加入対象になる
保険料率は業種で異なります。保険料は労働者と使用者がそれぞれ負担します。
雇用保険の給付には以下4種類あります。
・求職者給付
・就職促進給付
・雇用継続給付
・教育訓練給付
画像参照:雇用保険制度の概要(ハローワーク)
求職者給付(基本手当)
退職や解雇などにより失業してしまった場合、雇用保険から基本手当の支給を離職の日の翌日から最大1年間(出産、育児などで仕事復帰できない場合は延長あり)受けとることができます。
後ほどお伝えしますが、実際は「待期期間」というものがあり離職の日の翌日から基本手当をもらうことはできません。
また、失業した理由や年齢によって受けることができる給付金額や日数等に違いが生じます。
自己都合退職や定年退職の場合
会社を自分の都合や一定の年齢に達したことで退職した場合、基本手当を受給するには、離職日以前の2年間に雇用保険の被保険者期間が通算12カ月以上必要となります。
1日当たりの基本手当日額は離職日以前6カ月間の給与と年齢によって決定されます。
なお、基本手当の給付日数は離職時の年齢は関係なく雇用保険の被保険者期間で決まります。
給付日数を記載します。
・被保険者期間が1年未満の場合は支給されない
・被保険者期間1年以上10年未満 (90日)
・被保険者期間10年以上20年未満 (120日)
・被保険者期間20年以上 (150日)
上記のとおり、自己都合や定年退職の場合は最大でも150日しか基本手当を受けとることができません。
また、実際に支給を受けるには、ハローワークで申し込み後、7日間の待期期間があり、かつ(プラス)、3か月間の待期期間があります。
倒産、解雇などで離職した場合
倒産や解雇などの特定の理由で離職した場合、基本手当を受給する要件は離職日以前の1年間に被保険者期間が6カ月以上あること、となります。
給付日数は年齢や被保険者期間でそれぞれ定められています。
自己都合や定年退職の場合と違い、1年未満の被保険者期間でも90日の基本手当が支給されます。
最大の給付日数で330日となっており、該当するのは45歳以上60歳未満の者で、かつ、20年以上被保険者期間がある場合です。
また倒産や解雇の場合はハローワークでの申し込み後、7日間の待期期間のみで支給が開始されます。
基本手当の項目では自己都合と倒産解雇の要件の違いに注意して押さえておきましょう。
就職促進給付
就職促進給付には基本手当の受給資格のある人が、基本手当の支給残日数がある状態で安定した職業に就職した場合に支給される再就職手当や、その他就業促進定着手当、就業手当などがあります。
雇用継続給付
雇用保険の雇用継続給付として4つ紹介します。
雇用継続給付 | 対象 |
高年齢雇用継続給付 | 雇用保険の被保険者期間が5年以上ある60歳以上65歳未満の人が対象 |
高年齢再就職給付金 | 雇用保険の被保険者期間が5年以上ある60歳以上65歳未満の人が、基本手当受給中に再就職した人が対象 |
育児休業給付 | 育児休業前2年間のうち月11日以上働いた月が12カ月以上ある雇用保険の被保険者が対象 |
介護休業給付 | 配偶者や子、親の介護のために休業する人が対象 |
高年齢雇用継続給付
60歳以後も継続して働いている雇用保険の被保険者期間が5年以上ある60歳以上65歳未満の人が対象となる給付です。
賃金が60歳時点に比べて75%未満に低下した場合、支給対象月の賃金×(最大15%)が支給されます。
高年齢再就職給付金
雇用保険の被保険者期間が5年以上ある60歳以上65歳未満の人が、基本手当受給中に再就職した場合、基本手当の支給残日数や再就職後の賃金低下率によって受け取ることができる給付金です。
基本手当の支給残日数100日以上200日未満で1年、200日以上で2年間支給されます。
育児休業給付
育児休業前2年間のうち月11日以上働いた月が12カ月以上ある雇用保険の被保険者が対象となる給付で、育児休業中、賃金が支払われない場合や80%未満になった場合に支給されます。
支給額は休業前賃金の67%が6か月間支給され以降は50%となります。
満1歳未満の子の育児のための休暇が対象となりますが、パパママ育休プラス(父母ともに育休をとること)の場合は2カ月延長でき、保育所が見つからないなど理由がある場合は子の年齢2歳まで利用可能です。
介護休業給付
配偶者や子、親の介護のために休業する場合、休業前賃金の67%が最大93日間支給されます。
なお、93日以内であれば3回まで受け取ることができます。
配偶者の父母を介護する場合も対象になります。
教育訓練給付
雇用保険の被保険者期間が3年以上(初回に限り1年以上)ある人が、厚生労働大臣指定の教育訓練を受講した場合、受講費用の20%(最大10万円)が支給される制度です。(一般教育訓練給付金)
2019年(令和元年)10月から一般教育訓練給付金よりも高度な教育訓練(一例:資格を持たずに業務をすることが法令で禁止されている資格の取得など)に該当する講座等を受講することで受講費用の40%(最大20万円)の支給を受けることができる特定一般教育訓練給付金が開始されました。
<雇用保険 分かりやすい動画>
雇用保険について(日本労働組合総連合会)
さいごに
今回はFP2級、FP3級試験出題範囲から雇用保険について説明させていただきました。
受給要件や給付日数など○日以上、○年以上など、数字ばかり出てきますので、慣れるまでは大変だと思いますが、頑張っていきましょう。
退職後の手続き(年金、保険、失業手当)に関する詳細は以下の記事で解説しています。あわせて参考にしてください。