こんにちは。
ファイナンシャルプランナー(1級FP技能士)のhanaです。
この記事では下記3タイプに分類される投資型クラウドファンディングから
融資(貸付)型=ソーシャルレンディング:投資家は事業者を通じて企業等に融資をすることで利息(金利)に相当する分配金を受け取ることが可能
不動産投資型:投資家は事業者を通じて不動産ファンドに出資することで、その不動産から生じる賃貸料収入や売却収入を配当金として受け取ることが可能
株式投資型:投資家は事業者を通じて非上場企業に出資することで将来の値上がり益等のリターンを受け取ることが可能
※投資型クラウドファンディングに元本保証はなく分配金や将来のリターンも確実に受け取れると保証されているわけではありません
「株式投資型クラウドファンディング」について、仕組み、リターン、投資するうえでのリスクやデメリット、運営している事業者ごとの特徴をわかりやすく解説します。
株式投資型クラウドファンディングとは
株式投資型クラウドファンディングとは投資家が非上場会社の株式を取得(購入)することで将来のIPO(新規株式公開)などによるリターンを狙う投資手法です。
投資対象となる非上場会社にはAIやロボット関連、フィンテックといった将来性が見込まれるベンチャー企業など案件によって様々ですが、共通点として設立から間もない企業(2年~5年)が出資を募っているケースが多いです。
その原因としては、いくらビジネスモデルが秀逸で今後の発展が見込めそうであっても設立間もない企業は信用力が低いとみなされることがほとんどで銀行融資が受けられないケースがあるからです。
そういった、中小企業やベンチャー企業に対して投資を行うのが株式投資型クラウドファンディングですが、出資した投資家は当該企業の将来のIPO(新規株式公開)やバイアウト(M&Aなどによる第三者への売却)による大きなリターンが期待できる反面、設立間もない非上場企業等が投資対象ですのでリスクも高くなっています。
株式投資型クラウドファンディングのリターン
株式投資型クラウドファンディングのリターン
・非上場企業のIPO(新規株式公開)によるリターンが期待できる
・バイアウト(M&Aなどの第三者への売却)によるリターンが期待できる
・株主優待実施企業の場合は優待を受け取ることができる
・配当実施企業の場合は配当金を受け取ることができる
・エンジェル税制対象企業の場合は所得税の優遇措置を受けることができる
IPOやバイアウトなどによって保有株式を売却する機会が発生することをEXIT(エグジット=出口)といいますが、2021年2月時点においてIPOによるエグジットはすべての株式投資型クラウドファンディング事業者において実現していません。
ただし相対取引によるエグジットは発生しており、FUNDINNO(ファンディーノ)という株式投資型クラウドファンディングではエグジットにより株式購入価格の1.5倍で売却が成立した案件が2件あります。
※追記:2021年3月30日、ファンディーノで資金調達を行った企業が東京証券取引所が運営するTOKYO PRO Marketに上場しました!(株式投資型クラウドファンディング業界初の事例)
株式投資型クラウドファンディングのリスク
株式投資型クラウドファンディングのリスク
・投資元本の保証がない
・換金性が低い
・投資家1人あたりの1年間に購入できる株式は1社につき50万円まで
すべての投資に共通していることですが投資元本の保証がありませんので損失が発生する可能性があります。
とくに非上場株式の場合、創業から間もないベンチャー企業の割合が高いので「倒産リスク」は上場企業と比べて一段と増します。
また上場株式のような証券取引の場がありませんので、売却したいときに売却できない可能性が高く「換金性」が低いといえます。
さらに「投資家1あたり1社につき年間50万以下」という出資規定がありますので資産運用の自由度においても制限があります。
株式投資型クラウドファンディングで投資する前に
株式投資型クラウドファンディングは上述の通り、IPOやM&Aによる大きなリターンを期待できる反面、そのリスクは上場企業の比ではありません。
株式投資型クラウドファンディングを通した株式の購入申込みは申込日から8日間であれば撤回や申込みにかかる契約解除をすることができますが、一度購入してしまうと自由に売却する機会が限られてしまう点には大きな注意が必要です。
「ハイリスク・ハイリターン」と言える株式投資型クラウドファンディングをするにあたって大事なポイントとなるのが「どの株式投資型クラウドファンディング事業者」を選択するかです。
事業者によって特徴が異なりますので判断が難しい場合がありますが「これまでの実績」「会社の規模・経営体質」「取扱い案件数」は最低限押さえておきたいポイントになります。
これより株式投資型クラウドファンディングを運営する事業者を3社掲載しますので、投資先を検討するうえでの参考にしてくださいますと幸いです。
FUNDINNO(ファンディーノ)
FUNDINNO(ファンディーノ)は日本クラウドキャピタルが運営する国内初の株式投資型クラウドファンディング事業者です。
1口10万円程度から将来のIPOやバイアウトを目指す企業に投資することができ、これまでに55,494人の投資家がファンディーノにユーザー登録しています。(2021年2月現在)
累計成約額も45億3,318万円にのぼり、投資案件の募集開始から案件成立(募集額達成)までわずか2分で完了してしまうなど、投資家からの支持も高い事業者です。
その理由の一つがファンディーノの非上場企業に対する厳格な審査規定です。
ファンディーノでは投資家保護のため非上場企業に対する審査を複数の公認会計士からなるチームで実施しており、満場一致で案件として認める決議がなされない限り、投資家に提案しない仕組みで運営しています。
その他にもエグジットを達成した実績があることも株式投資型クラウドファンディング事業者としての信頼につながっています。
FUNDINNO(ファンディーノ)【公式サイト】
こちら↓はファンディーノについて詳しく記載している記事です。
UNICORN(ユニコーン)
ユニコーンは株式会社ユニコーンが運営する株式投資型クラウドファンディング事業者です。
2019年12月に東証マザーズ上場企業の株式会社ZUU(金融メディア運営)と資本業務提携を行っており、今後はオンライン金融プラットフォームを通じた新たな取り組みにも期待が持てそうです。
1口5万円程度から投資可能で株主優待の実施に力を入れている点に特徴があります。
ユニコーンの社内には投資銀行や証券業界出身者が多く在籍しているので非上場企業の将来のIPOに向けた情報収集能力や目利きといった部分においても強みがあるといえます。
ユニコーン【公式サイト】
イークラウド
イークラウドは株式会社イークラウドが運営する株式投資型クラウドファンディングです。
2020年7月29日に第一号案件の募集をスタートさせたばかりですので事業者としての実績が少なく未知数な部分が多いのですが、大和証券グループと連携して事業運営を行う点に期待(今後のIPOやM&Aに向けた対策、応募企業の調査分析など)が持てますので、とりあえず口座開設(投資家登録)だけはしておきたい事業者です。
イークラウドの第一号案件
投資先企業:「株式会社地元カンパニー」
目標募集金額3,000万円(上限5,000万円)
同社は約2.8兆円の法人ギフト市場で全国47都道府県の地元商品をギフトでつなぐ「地方創生プラットフォーム」を目指す企業。
2020年度は年商1億円を見込み、2025年度には年商48億円を目標に運営中。
イークラウド【公式サイト】
※追加情報を含めた「イークラウドの特徴や案件実績」に関する記事を公開しましたので、よろしければご参照ください。

この記事が株式投資型クラウドファンディングの参考になれば幸いです!