インターネットを介して多くの人(群衆=クラウド)に資金を募ることで資金調達(ファンディング)する仕組みのクラウドファンディング。
このうち株式投資型クラウドファンディングとは
①投資家が資金を必要としている非上場企業に出資
②投資家は出資分に相当する株式(未公開株)を取得
③投資家は未公開株から将来発生するリターンを得る
という仕組みです。
投資先の非上場会社(出資してもらう側)の事業内容はテクノロジーやロボット関連、ヘルスケアなど案件によって様々です。
この非上場企業を厳しく審査して投資家への橋渡しをするのが株式投資型クラウドファンディングを運営する事業者です。
この記事では株式投資型クラウドファンディングを日本で初めて創出した事業者「FUNDINNO(ファンディーノ)」について会社概要、投資の仕組み、これまでの実績、評判について解説します。
ファンディーノ(FUNDINNO)の会社概要
FUNDINNO(ファンディーノ)を運営する日本クラウドキャピタルは2016年に国内初の第一種電子募集取扱業者としての登録承認を受けて株式投資型クラウドファンディングをスタートさせています。
2021年10月時点におけるFUNDINNO(ファンディーノ)の取扱高は成約ベースで68億3,994万円(累計成約額)、FUNDINNOに投資家登録しているユーザー数は79,569人となっております。
案件によっては2分を切るスピードで目標額を達成するという人気ぶりで、これはファンディーノの信頼性を表す一つのバロメータと考えられます。
FUNDINNO(ファンディーノ)会社概要
社名:株式会社日本クラウドキャピタル
本社:東京都品川区東五反田5丁目25番18号
登録番号:第一種少額電子募集取扱業者 関東財務局長(金商)第2957号
設立:2015年11月26日
資本金(資本準備金含む):35億9247万9340円(2021年6月15日現在)
FUNDINNO(ファンディーノ)【公式サイト】より引用
ファンディーノ5つの特徴
ファンディーノには下記5つの特徴があります。
・IPOやバイアウトを目指す非上場企業に10万円程度から投資できる
・エンジェル税制(税制の優遇措置)の対象企業であれば所得税の優遇措置がある
・非上場企業の審査は複数の公認会計士等による厳正な審査で行われる
・ファンディーノは資金調達後の企業フォローやIR情報の発信をサポートしている
・投資先企業によっては株主優待を受け取ることができる
口座開設料や維持費、投資するときの取引手数料はすべて無料です。ただし出金時の振込手数料だけは投資家負担になります。
10万円程度から株式投資型クラウドファンディングができる
FUNDINNO(ファンディーノ)では「テクノロジー」「IT」「マーケティング」「フィンテック」「医療」など様々な事業分野の企業に10万円程度から(10万円未満の案件もありますが、10万円からが多いです)投資することができます。
エンジェル税制が適用される場合
ファンディーノを通してエンジェル税制の対象企業に投資した場合、投資金額に応じて所得税の優遇措置を受けることが可能です。
なお、エンジェル税制の対象企業は案件に「エンジェル税制適用確認企業」と記されています。
エンジェル税制とは、ベンチャー企業に対する投資の促進を図る観点から、特定中小会社および特定新規中小会社への投資を行った個人投資家について講じられた税制上の特例措置
引用:エンジェル税制の概要等(国税庁)
応募企業の厳正な審査
FUNDINNO(ファンディーノ)に応募した非上場企業の審査は複数の公認会計士等からなるチームにより厳正な審査が行われます。
この審査では非上場企業の将来性や独自性などを様々な角度から厳しく審査して審査員の多数決ではなく審査員全員一致でなければ通過できない(投資家に案内できない)仕組みになっています。
資金調達後のフォロー
ファンディーノの株式投資型クラウドファンディングは投資家の出資が目標額に達したら完了というわけではありません。むしろその後を大事にしており、資金調達後の企業に対するフォローや投資家に開示するためのIR情報を発信するサポートをしています。
企業によっては株主優待がある
株主優待を実施している企業に投資することで、持ち株数に応じて商品の割引や施設利用の無料券といった企業独自の優待を受け取ることができます。
ファンディーノのこれまでの実績
2021年10月現在において79,569人の投資家がファンディーノにユーザー登録をされており、累計成約額は68億3,994万円、成約件数は206件となっています。
そのなかから一例として3件紹介します。
①ロボットベンチャーの案件(新株予約権)
目標募集額700万円→調達金額2,800万円
②アート×投資資産の次世代アートプラットフォームの案件(株式)
目標募集額1,200万円→調達金額3,210万円
③ネットワーク機器に関するテクノロジー案件(株式)
目標募集額1,000万円→調達金額2,950万円
調達金額が大きく上回るのはファンディーノの厳正な審査や資金調達後のサポートなど投資家が出資しやすい環境があるためです。なお、ブロックチェーンの案件では目標募集額の4倍以上の調達金額となっています。
投資のリスク
株式投資型クラウドファンディングは非上場株式への投資となりますので、そこには当然リスクが存在します。
元本が保証されていない
これは投資全般に言えることですが投資元本は保証されていませんので投資した金額が減ってしまうリスクがあります。
また配当金の規定がある場合でも必ず支払われるとは限らず、企業の経営状態や配当に対する考え方の変更などによって支払われなくなるリスクがあります。
上場株式と比べて換金性が低い
上場株式であれば証券取引所の取引時間内やPTS取引などで株式を自由に売買することが可能ですが、非上場株式(未公開株式)にはそういった取引の場はありませんので、換金性が上場株式と比べて低くなります。
投資家が取得する店頭有価証券は、取引の参考となる気配及び相場は存在せず、換金性が著しく劣ります。
引用:投資に関するリスク・留意点等(ファンディーノ公式)
ファンディーノで投資をする前に
ファンディーノを通して投資する株式投資型クラウドファンディングはIPO(新規株式公開)やM&Aによる株式の売却など大きなリターンが期待できる資産運用といえますが、上述の通りリスクがあります。
元本保証がない点に関しては「投資」である限り仕方のない部分ですが、換金性が上場株式と比べて低い点には投資をする前に注意が必要です。
そのためには投資前に、その投資資金は「長期間換金できなくても問題ない資金」なのかどうかを十分に検討する必要があります。
余裕資金の範囲で、これからの活躍が期待できそうなベンチャー企業を応援する、社会的意義のある企業や「あっ」と驚くようなアイデアやサービスを持っている企業を支援する(ときには見守るような気持ちで)ことが株式投資型クラウドファンディングのあり方のように思います。
私も余裕資金の範囲でしか投資していません。それとちょっとした投資のコツですが、リスクを分散するためにも1社に全額ではなく複数のベンチャー企業(できれば違う事業分野の企業)に資金をわけて投資するといいですよ。万が一のとき他の値上がり益などでカバーできる可能性がありますので。
ファンディーノで口座開設する手順
ファンディーノで口座開設する手順は下記5ステップです。
①FUNDINNO(ファンディーノ)【公式サイト】にアクセスして「新規登録」もしくは「今すぐ投資家登録する」をクリック
②メールアドレスとパスワードを入力後、利用規約に同意をチェックして「登録」をクリック
③登録したメールアドレスに送られてきたリンクをクリックして必要事項を入力して本人確認書類をアップロード(スマホ撮影で大丈夫です)
④登録を完了したらファンディーノで投資家審査が行われます
⑤審査通過後、登録した住所にアクティベートコードが送付されますので、それを入力したら投資家登録完了です
以上、FUNDINNO(ファンディーノ)での株式投資型クラウドファンディングの参考になれば幸いです。