こんにちは。
ファイナンシャルプランナー(1級FP技能士)のhanaです。
この記事では↓
オプション取引の金利オプションがいまいち理解できません。キャップ?フロア?という状態ですのでわかりやすく教えてください。
こんな疑問を解決します。
金利オプションとは
金利オプションとは金利を対象にしたオプション取引のことで、将来、あらかじめ定められた金利で取引を行う権利を売買することです。
取引の種類には「キャップ」「フロア」「カラー取引」「スワップション」などがあります。
キャップ
キャップとは将来の市場の実勢金利(変動金利)に上限金利(キャップレート)を設けることでキャップの買い手は実勢金利がキャップレートを超えた場合に超えた部分の金利差を差金決済で受け取れる取引のことです。
例えばキャップレート1%のキャップを買い手がプレミアム(オプション料)を売り手に支払って購入した場合、市場の実勢金利が1%を超えて仮に2%に上昇したとすれば(2%-1%=1%)を差金決済で受け取ることができます。
この取引によってキャップの買い手は金利上昇リスクをヘッジすることが可能です。
キャップの買い手は売り手に対してオプション料(プレミアム)を支払います。買い手は金利上昇のリスクヘッジに、売り手は利回り向上に利用します。
引用:キャップ(大和証券)
キャップとは金利のコールオプションのことで、定めたキャップレートは「行使レート」や「ストライクレート」と呼ぶこともあります。
フロア
フロアとは将来の市場の実勢金利(変動金利)に下限金利(フロアレート)を設けることでフロアの買い手は実勢金利がフロアレートを下回った場合に下回った部分の金利差を差金決済で受け取れる取引のことです。
例えばフロアレート1%のフロアを買い手がプレミアム(オプション料)を売り手に支払って購入した場合、市場の実勢金利が1%を下回り仮に0.5%に低下したとすれば(1%-0.5%=0.5%)を差金決済で受け取ることができます。
この取引によってフロアの買い手は金利低下リスクをヘッジすることが可能です。
フロアの買い手は売り手に対してオプション料(プレミアム)を支払います。買い手は金利下落のリスクヘッジに、売り手はコスト低減に利用します。
引用:フロア(大和証券)
フロアは金利のプットオプションのことで定めたフロアレートもキャップレート同様「行使レート」や「ストライクレート」と呼ぶことがあります。
カラー取引
カラー取引とはキャップとフロアを組み合わせた取引のことです。
組み合わせは「キャップの買いとフロアの売り」と「キャップの売りとフロアの買い」となります。
スワップション
スワップションとは原資産をスワップ取引としたオプション取引のことです。
あらかじめ定められた条件のスワップ取引(多くの場合金利スワップ)を将来行う権利を売買する取引でコール・スワップションとプット・スワップションがあります。
コール・スワップションとは固定金利を受け取り変動金利を支払う取引となるものでレシーバーズ・スワップションと呼ばれています。
プット・スワップションとは固定金利を支払い変動金利を受け取る取引となるものでペイヤーズ・スワップションと呼ばれています。
オプションとは、価格が変化したときの保険ですから、スワップションは金利変化によって被る損失をヘッジする保険と解釈できます
引用:スワップションとは(財務省)
スワップ取引については、以下の記事で詳しく解説しています。
さいごに
今回の記事では金利オプションについてキャップとフロアの仕組みや一例、あわせてカラー取引とスワップションの概要を説明しました。
キャップやフロア等の金利オプションは主に事業者が将来の金利上昇リスクや低下リスクを回避するために利用する場合がほとんどですので個人投資家にはあまりなじみがない取引ですが仕組みを知っていることで企業分析等の投資判断に役立ちますのでぜひ押さえておきましょう。
その他、投資の種類については以下の記事も参考にしてください。