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遺産分割の方法(指定分割、協議分割)と遺産分割手段【FP】

遺産分割の方法(指定分割、協議分割)と遺産分割手段【FP】
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こんにちは。

1級FP技能士(ファイナンシャルプランナー)のhanaです。

今回のFP2級、FP3級資格講座は、遺産分割協議の要件や協議に伴う寄与分、成年後見制度、実際に財産を分割する手段までを説明します。

遺産分割の方法

遺産分割の方法には、被相続人が生前に残した遺言に基づいて分割する指定分割と遺言がない場合に相続人の協議によって分割する協議分割があります。

遺言書がある場合は、原則として遺言書の内容で遺産分割します。
引用:【はじめての遺産分割】誰でもわかる!4つの遺産分割方法と注意点

※どうしても協議が上手くいかない場合などは調停分割、審判(裁判)分割の方法もあります。

遺言については、以下のFP講座で詳しく解説しています。

指定分割とは

指定分割は遺言に基づく分割方法ですが、指定には具体的な財産を指定する場合相続分を指定する場合があります。

財産の具体的な指定とは、例えば「妻には土地と家屋を、長男には預貯金○○円を相続させる」という場合です。

対して相続分の指定とは「妻には財産の4分の3を、長男には4分の1を相続させる」などです。

なお、いずれの指定方法も有効です。

そしてこの指定分割は法定相続分に優先します。

hana
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ただし、遺留分を侵害している場合は遺留分減殺請求をされる可能性はあります。また、指定分割は故人の最後の意思表示ですので、他の分割方法より優先はされますが、必ずしもその指定に相続人が従う必要はありません。

遺留分については、以下のFP講座でくわしく解説しています。

協議分割とは

協議分割とは、遺言がない場合や指定分割や法定相続分とは異なる分割をしたい場合などに相続人全員の合意のもと協議をして相続財産を分割する方法です。

協議分割は必ず相続人全員で行う必要があり、1人でも欠けている場合、その協議は無効となります。

協議が成立したら、後のトラブル防止等のために分割財産の内容を明確に記した遺産分割協議書を作成して相続人各自が署名・押印します。

※協議分割には相続人が認知症である等を理由に成年後見人が参加する場合や、被相続人の財産の維持・増加に特別の寄与をしたと認めれる者の寄与分が主張される場合もあります。

成年後見制度

成年後見制度とは、物事の認識、判断能力が不十分な者が、そのことによって不利益を被らないよう本人を保護するための制度です。

制度には、法律上規定された法定後見制度と、本人にまだ判断能力が備わっている間に本人が後見人を指定する任意後見制度があります。

法定後見制度

法定後見制度には、本人の判断能力がほぼない場合の後見著しく不十分な場合の保佐不十分な場合の補助と3種類の制度があります。

後見や保佐、補助を開始するには一定の者が家庭裁判所に申し立てをして後見開始の審判等を受けることで後見等がスタートします。

任意後見制度

任意後見制度は、本人に判断能力があるときに、あらかじめ、将来の能力低下に備えて後見人を指定しておく制度です。

任意後見契約は公証役場で公正証書を作成して結ばなければなりません。

後見人になれる人の資格等は特にありませんので、親族がなることも他人がなることも可能ですが、未成年者や破産者などの一定の者はなることができません。

寄与分とは

寄与分制度とは被相続人の財産の維持、増加に貢献した相続人の主張によって相続財産に上乗せして財産を受け取れる制度です。

寄与分が認められる行為は、被相続人の入院中の付き添いや介護をしていた場合、被相続人の事業などへの資金の提供や、事業を頻繁に手伝うなど、相続人の行為によって被相続人の財産の維持や増加分がある行為です。

hana
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まとめると寄与分が認められるには①相続人であること②特別の寄与をしている③その寄与により財産の維持や増加がある。この3つが必要です。

なお、寄与分制度は相続人にのみ認められる制度ですので、相続人ではない場合認められませんが、2019年7月1日以降の相続から特別寄与料制度が設けられました。

これは、相続人ではない親族が被相続人に特別の寄与をしたことで財産の維持や増加に貢献した場合、特別寄与者である相続人ではない親族が相続人に特別寄与料を請求できる制度です。

被相続人を10年間毎日介護して、介護職員を雇用した際に発生すると考えられる支出600万円を削減した相続人に対し、寄与分が認められました。
引用:特別の寄与が認められた事例

遺産の分割手段

遺産の分割協議が終わり、具体的に財産をわけるとき相続財産がすべて現金であれば問題ありませんが、相続においては土地や建物、有価証券、その他分割が難しい資産の場合があります。

相続における財産の分割手段としてFP試験で問われやすいものを3つ記載します。

現物分割

現物分割とは、遺産分割協議のさい個別の財産ごとに取得者を決める方法です。

例:自宅の土地・建物は妻、株式は長男、預金は長女、などです。

換価分割

換価分割とは相続財産を売却してその売却代金を相続分に応じて取得する方法です。

代償分割

代償分割とは、相続財産の分割が難しい場合に、特定の相続人が相続財産を取得する代わりに自己の固有の財産を財産をもらえない相続人へ渡すことで分割する方法です。

<わかりやすい解説動画>

【相続】遺産分割協議の『基礎知識』と『分割協議の際に勘違いしやすいポイント』を解説します!

さいごに

今回はファイナンシャルプランナー2級、3級試験範囲から遺産分割の方法、それに伴う成年後見制度、寄与分、遺産分割の手段について解説しました。

指定分割と協議分割の基本的な内容や要件、寄与分や後見制度、各分割手段の特徴など試験で出題されても得点できるようにポイントを押さえておきましょう。