不動産を対象にした2種類のクラウドファンディング投資の違い

投資

こんにちは。

ファイナンシャルプランナー(1級FP技能士)のhanaです。

この記事では不動産を対象にした2種類のクラウドファンディング「不動産投資型クラウドファンディング」と「不動産事業を対象にしたソーシャルレンディング」について、それぞれの違いを中心に特徴をお伝えします。

どちらもインターネットを介して多数の投資家から資金を募るクラウドファンディングである点は共通しているのですが、根本的な仕組みが違いますので、単純に利回りだけで比較してしまうと判断を誤る可能性があります。

hana
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基本的な仕組みからリスクやリターンの違いまでわかりやすくお伝えします!

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「不動産投資型」と「ソーシャルレンディング」の違い

不動産投資型クラウドファンディングはインターネット上で多くの投資家から募った資金をもとにクラウドファンディング事業者が不動産を取得・購入して運用(賃貸収入や売却収入)することで、そこから生じた利益を投資家に分配する仕組みです。

一方、不動産事業を対象にしたソーシャルレンディングでは投資家から募った資金を事業者が融資を希望する不動産事業者に貸しつけ、その貸付金をもとに不動産事業者が運用(おもに不動産の取得→売却)して、元金と利息を事業者に返済します。その返済金を原資として投資家に分配金や元本の償還が行われる仕組みです。

仕組みの大きな違いは不動産投資型投資家と事業者の2者間(運用は直接事業者が行う)ソーシャルレンディング3者間(運用は事業者ではなく融資を受けた不動産事業者が行う)点です。

不動産投資型クラウドファンディング

投資家⇔事業者

不動産を対象にしたソーシャルレンディング

投資家⇔事業者⇔融資を受ける不動産事業者

投資家と事業者の関係

不動産投資型クラウドファンディングでは事業者が不動産物件の選定・調査・運用(賃貸や売却)を行いますので、投資家は事業者が提供している案件から投資目的にあうものを選ぶだけです。

そのさい投資家と事業者の間で匿名組合契約が締結されます。

匿名組合契約とは投資家を「匿名組合員」事業者を「営業者」として、匿名組合員は営業者の事業のために出資をして、その見返りとして事業から生じた利益の分配を受けることを約束するものです。

この契約があるため投資家は事業者の不動産物件の選定や運用等の事業内容について従う必要があります(口出しができない)

一方で投資家は事業者に対して分配金等の配当を請求する権利をもち、また事業が失敗した場合でも出資額以上の損失を被ることはありません。

なお、ソーシャルレンディングでも投資家と事業者の間で匿名組合契約を締結します。不動産投資型との違いは、ソーシャルレンディングは「融資」ですので事業者と融資を受ける不動産事業者の間で「金銭消費貸借契約」が締結されます。

投資判断に必要な情報

不動産投資型クラウドファンディングでは投資家の投資判断にあたり必要な物件情報が事業者のクラウドファンディングプラットフォーム上に詳細に提示されている場合が多いです。

例えば不動産投資型クラウドファンディングで運用資産残高1位(2020年6月時点における日本マーケティングリサーチ機構調べ)のCREAL(クリアル)ではリスク面も含めた詳細な情報を投資家に提供しています。

CREALが提供している不動産物件情報

・物件の概要(運用の目的と仕組み、リターンとリスク)

・物件の詳細情報

・運営者情報

・物件に関係するマーケット情報

・詳細なリターン情報※会員登録(メールアドレスの登録)が必要

・リスク情報

・ファンド情報

※詳細なリターンについては会員登録が必要ですが、これは口座開設(投資家登録)という意味ではなく、メールアドレスの登録のみです。会員登録後は不動産の調査報告書や1級建築士事務所のエンジニアリングレポートも閲覧できますので、不動産投資全般に応用できる投資のポイントを知ることができます。

リターン情報には調達資金や土地の価格、登録免許税といった資金使途、配当金情報など細かく記載されていますので、投資前に運用のイメージ・シミュレーションが可能です。

CREAL(クリアル)が提供している物件情報では、物件の名称や地図をもちいた所在地、交通アクセス、土地・建物の面積や構造等、物件を直接みなくても把握できるように丁寧に提示されています。

CREAL【公式サイト】

CREAL(クリアル)について詳しく解説している記事です。ぜひご参照ください。

一方で不動産を対象にしたソーシャルレンディングでは融資という仕組みもあり、融資を受ける不動産事業者は「不動産事業者A」や「不動産事業者B」といった匿名になっていることがほとんどです。

もちろん、投資をするうえで最低限必要な融資金の活用方法(不動産取得から売却までの目標期間等)、分配金の利回り、担保の有無等は当然開示されていますので、投資判断は十分可能です。

近年はソーシャルレンディング事業者も融資を受ける不動産事業者の財務内容や不動産の詳細情報についても開示していく傾向にありますので、今後はより詳細に情報提供されていくものと思われます。

不動産投資型クラウドファンディングのリターン

不動産投資型クラウドファンディングの投資家のリターンは不動産の賃貸収入や売却収入が原資となります。

予定されている利回り(年利)は物件がマンションなのかホテルなのかオフィスビルなのかといった用途でも違いますが、おおむね4%~7%程度で運用されているケースが多いです。

クラウドファンディングという仕組みを活用していますが不動産という現物に小口投資しているのと同じことですので、株やFXなどに比べ安定したリターンになっています。

一方、ソーシャルレンディングの場合は融資ですので貸付金利をもとにリターン(分配金)が設定されます。

分配金利回りは6.0%~10.0%程度など高く設定されている場合が多く、融資を受けた不動産事業者が計画に基づいて行う不動産売却収入が原資となります。

※場合によっては不動産事業者(借入人)の事業収入や他の金融機関からの借入によって支払われることもあります。

不動産投資型クラウドファンディングのリスク

不動産投資型クラウドファンディングには下記のような5つのリスクがあります。

・元本割れのリスク

・不動産事業の運営リスク

・クラウドファンディング事業者のリスク

・不動産にかかる法規制・税制のリスク

・自然災害のリスク

不動産投資型クラウドファンディングに限った話ではなく投資全般に言えることですが元本保証はありませんので、不動産事業が上手くいかなかった場合など投資した資金が減ってしまう可能性があります。

また運用対象は現物不動産ですので賃借人トラブルや設備の管理や修繕につき予期せぬ費用が発生する可能性や、自然災害についても「そうそう起きないだろう」と高をくくっていると万が一発生した場合に焦る結果になりやすいので、事前にそういった現物不動産特有のリスクについても押さえておく必要があります。

ソーシャルレンディングも同様で融資を受けた不動産事業者の返済遅延や事業計画の未達、またソーシャルレンディング事業者の破綻リスクなど投資をするうえで注意する必要があります。

優先出資・劣後出資の仕組み

前述のように不動産投資型クラウドファンディングには投資元本が減ってしまうリスクがあります。

そのため投資家保護を目的に不動産投資型クラウドファンディングでは出資に優先劣後の仕組みが取りいれられています。

これは不動産物件への出資(投資)にあたり「優先出資」と「劣後出資」にわけることで、不動産事業に損失が生じたさいに、まずは「劣後出資」部分に損失をあてることで「優先出資」部分が守られる仕組みです。

例えば不動産投資型クラウドファンディングのCREALは劣後出資部分を投資総額の10%~20%に設定しており、この劣後部分はCREALが受け持つので投資家は不動産事業の損失が10%~20%までは元本割れしないことになります。

ソーシャルレンディング事業者においても独自の投資家保護の取組みをしている事業者があり、例えばレンデックス(LENDEX)という事業者は融資案件の大部分に不動産担保を設定しています。

レンデックス【公式サイト】

さらに、その担保価値の評価には「東急リバブル」という大手企業の査定結果をもちいており、不動産事業者への融資限度額を①レンデックスの担保価値評価額②東急リバブルの担保価値評価額のうち、いずれか低い金額の80%までにおさえることで、投資家は担保価値の下落が20%までであれば元本割れしないようになっています。

レンデックス(LENDEX)について詳しく解説している記事です。ぜひご参照ください。

またSAMURAI FUNDでは融資を受ける不動産事業者の債務(融資金の返済義務)について「株式会社日本保証」の保証をつけることで投資家を保護する仕組みがあります。

SAMURAI FUND【公式サイト】

SAMURAI FUND(サムライファンド)について詳しく解説している記事です。ぜひご参照ください。

hana
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不動産投資は比較的安定していると言われていますが、それはあくまでも株やFXと比較した場合の話ですので、仮に預金と比べたら危険極まりない投資になります。

そのため不動産投資型やソーシャルレンディングでの投資にあたっては「事業者選び」が重要です。

高い分配金利回りは魅力的ではありますが、投資元本がなくなっては元も子もないので、まずは投資家保護の取組みや事業者としての実績など「信頼できるかどうか」を判断基準の一つにされるといいかもしれません。