【資産運用ガイド】目的別おすすめ投資10選!

労働生産性の分析は指標を分解して計算することが大事

労働生産性の分析は指標を分解して計算することが大事

こんにちは。

ファイナンシャルプランナー(1級FP技能士)のhanaです。

この記事では↓

労働生産性って企業経営や投資判断に重要らしいし働き方改革でも労働生産性の向上が大事って言ってたけど、労働生産性って何ですか?

こんな疑問にお答えします。

労働生産性とは

労働生産性、財務省計算式画像参照:労働生産性(財務省)

働き方改革によって残業時間の上限規制や同一労働同一賃金制など制度の変更による働き方の見直しが行われていますが、経済の成長や発展、維持のためには労働生産性の向上が必要だと考えられています。

働き方改革でもピックアップされている「労働生産性」ですが、これは投入した労働量(従業員数)に対して生み出された生産量(付加価値額)の割合をしめすものです。

「労働生産性」とは、「従業員一人当たり、または従業員が一時間当たりに生み出す成果」のこと
引用:労働生産性とは?

hana
hana

この数値を改善することが労働生産性の向上につながると考えられています。まずは労働生産性の計算に必要な付加価値額について説明します。

付加価値額の計算方法

付加価値とは企業がその商品や製品に付加した価値のことで、付加価値額はその金額(価格)のことです。

付加価値額の計算式

売上高-外部購入額=付加価値額

外部購入額とは商品や製品を生み出すのに要した部品代、材料費、外注費、運搬費用等の外部から投入された費用のことです。

例えば4万円の原材料を加工して10万円で販売する場合、差額は6万円。これが付加価値額です。社員が10人なら一人あたりの付加価値額は6000円となります。
引用:付加価値とは?

外部購入額を除外して価値を計算する付加価値額ですが、見方を変えれば付加価値額の構成要素は下記であると判断できます。

付加価値の構成要素

・当期利益

・人件費

・減価償却費

・賃借料

・金融費用

・公租公課

・法人税

付加価値率

売上高に占める付加価値額の割合から付加価値率を計算することができます。

付加価値率の計算式

付加価値額÷売上高=付加価値率

付加価値率は高ければ高いほど企業の生み出した付加価値の割合が大きいことを意味します。

労働生産性の計算方法

労働生産性は投入した労働量(従業員数)に占める付加価値額の割合を求めることで計算することができます。

労働生産性の計算式

付加価値額÷従業員数=労働生産性

労働生産性も高ければ高いほど評価される数値ですが、企業の経営改善や投資分析においては付加価値額と従業員数の割合だけでなくさらに分解して検討することが大切です。

労働生産性の分解①

労働生産性は労働装備率と設備生産性に分解することができます。

労働生産性=労働装備率×設備生産性

労働装備率とは従業員数に占める有形固定資産の割合のことです。従業員1人あたりの有形固定資産の所有(装備)割合をみることができます。

労働装備率の計算式

有形固定資産÷従業員数=労働装備率

設備生産性とは有形固定資産に占める付加価値額の割合のことです。有形固定資産(設備)から生み出された付加価値がいくらなのかをみることができます。

設備生産性の計算式

付加価値額÷有形固定資産=設備生産性

hana
hana

労働装備率と設備生産性に分解することで付加価値額と従業員数だけでなく有形固定資産も含めた価値判断や改善点の分析が可能となります。

労働生産性の分解②

労働生産性は1人あたり売上高と付加価値率に分解できます。

労働生産性=1人あたり売上高×付加価値率

1人あたり売上高とは従業員数に占める売上高の割合のことで従業員1人あたりで生み出された売上高のことです。

1人あたり売上高の計算式

売上高÷従業員数=1人あたり売上高

付加価値率は前出の通りです。

hana
hana

1人あたり売上高と付加価値率に分解することで、従業員あたりの売上高や売上高に占める付加価値の割合に問題点等がないか分析することができます。

労働生産性の重要性

今回は労働生産性について付加価値額の内容や計算方法、労働生産性の計算式や分解して詳細に把握、分析する方法を紹介しました。

労働生産性を「従業員数に占める付加価値額の割合」という点だけ意識してしまうと従業員を減らすことで労働生産性を高めることに目が行きがちですが、指標を分解することで「1人あたりの売上高」「付加価値率」「労働装備率」「設備生産性」の面から労働生産性の向上を検討することが可能です。

労働生産性のほかにも、経営や投資に役立つ指標がたくさんあります。以下の記事もあわせて参考にしてください。