こんにちは。
1級FP技能士(ファイナンシャルプランナー)のhanaです。
今回のFP2級、FP3級資格試験講座は贈与税です。
贈与とは何か?、という基本的なところから贈与の種類、課税財産、計算方法、申告納付まで説明します。
贈与の基本
贈与とは、口頭や書面で自分の財産を相手に無償で提供する意思表示をして、相手が受け取ることに合意することで成立する契約のことです。
この書き方だと難しい契約イメージですので簡単に一例を紹介すると
私の車あげます。
ありがとう!
贈与とは上記のやり取りで成立してしまう契約です。
上の例で言えば、車を贈与する側を贈与者といい、車を受け取る側を受贈者といいます。
贈与は口頭(口約束)でも成立しますが、その場合贈与者、受贈者双方から契約を取り消すことができます。
一方、書面で契約を交わしている場合は原則として取り消すことができません。
贈与の種類
FP2級、FP3級試験で問われやすい贈与の種類として通常の単純贈与以外に3つありますので、以下説明していきます。
贈与の種類 | 特徴 |
負担付贈与 | 受贈者に一定の負担がある |
定期贈与 | 定期的かつ一定の継続がある |
死因贈与 | 贈与税ではなく相続税の課税対象 |
負担付贈与
負担付贈与とは贈与を受ける受贈者に一定の負担をさせるものです。
一例を掲載します。
車を贈与しますが、その代わり残りのローンは払ってくださいね。
え、う、うん、わかったよ。
上記のような場合が負担付贈与に該当します。
定期贈与
定期贈与とは、例えば「毎年100万円を5年間贈与する」というような、定期的かつ一定の継続があるタイプの贈与契約のことです。
死因贈与
死因贈与とは贈与者が死亡することによって贈与の効力が発生する契約のことです。
死因贈与により受け取った財産は贈与税ではなく相続税の課税対象となります。
贈与財産の範囲
贈与税の対象となる財産には通常の贈与契約で受け取った、現金、預貯金、株式などの有価証券、不動産などの贈与財産(これを「本来の贈与財産」といいます)と、実質的に贈与とみなされる、みなし贈与財産があります。
みなし贈与財産
・通常の時価よりも著しく低額で譲渡を受けた場合、その時価との差額がみなし贈与財産として課税されます。
・保険料を負担していない人が生命保険金を受け取った場合(相続税の対象になる場合は除く)
・借入金の免除や支払いを代わりにしてもらった場合の債務免除益(ただし当人に資力がなく返済不能の場合は除く)
生活費や教育費、年老いた親の面倒をみる費用など、社会通念上で妥当と認められるものについては贈与税はかかりません。
引用:みなし贈与とは?定義や当てはまるケース、回避する為の方法も紹介(相続税申告相談プラザ)
贈与税の計算方法
贈与税は暦年課税といって財産を取得する人(受贈者)が1月1日から12月31日までの1年間に受け取った贈与財産に対して課税されます。
贈与税を計算するさいは基礎控除額といって年110万円までは非課税となる仕組みがあり、贈与財産の価格が110万円以下の場合、贈与税は発生せず申告も不要です。
基礎控除額以下の贈与には税金はかかりません。
引用:贈与税の計算方法(東京税理士会)
贈与税の計算方法
(課税される贈与財産の価格-110万円)×税率=贈与税額
税率は父母や祖父母(直系尊属)から贈与を受けた場合とそれ以外の場合で異なります。また、贈与財産の課税価格が高くなるほど税率も高くなる累進課税の仕組みが採用されています。
直系尊属からの贈与による税額と、それ以外の場合を比較するために例題を2つ掲載します。
①友人から1000万円の贈与を受けた場合の贈与税額
(1000万円-110万円)×40%-125万=231万円
②親から1000万円の贈与を受けた場合の贈与税額(子は贈与を受けた年の1月1日時点で20歳以上である必要がある)
(1000万円-110万円)×30%-90万=177万円
上記のように直系尊属から贈与を受けた場合は、それ以外より贈与税額は軽減されます。
贈与税の税率表は試験問題に資料として掲載されているので税率を暗記する必要はありません。
贈与税の申告について
贈与税を計算した結果、納付すべき税額がある場合、受贈者は住所地を管轄する税務署に贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに申告書の提出と税額の納付をしなければなりません。
納付は金銭で一括で納める必要がありますが、金銭による納付が困難な場合は分割して納める延納を利用することも可能です。
ただし、延納を利用するには納めるべき贈与税が10万円以上あること、また、延納申請書を提出することが必要で、延納期間も最長で5年となっています。
<わかりやすい解説動画>
贈与税の計算方法を解説します【初心者向け】
さいごに
今回のファイナンシャルプランナー資格講座は贈与の種類や課税範囲、計算方法、申告納付について説明させていただきました。
贈与税の計算や税率は国税庁のホームページで詳しく確認できます。
贈与の分野には、この他にも配偶者控除や相続時精算課税制度、各種非課税措置など試験で問われやすい項目がありますので、次回以降もしっかりおさえていきましょう。