こんにちは。
ファイナンシャルプランナー(1級FP技能士)のhanaです。
この記事では↓
ネットで不動産を検索していたら気になる物件(土地・建物)をみつけました。購入を検討するにあたって調査すべき事項があれば教えてください。
こんな疑問を解決します。
不動産を購入する場合、住宅情報誌やネット広告に掲載されている住宅情報だけではわからない部分がありますので、住宅購入前に「現地」「登記所」「役場」の3カ所に赴いて不動産を調査する必要があります。
それぞれの場所で調査する事項や資料の内容、ポイントを解説します。
現地調査でわかる項目
住宅情報誌等でみつけた物件を検討するための最も重要な調査(と言っても過言ではない)が「現地調査」です。
現地調査の目的は現地でしかわからない事項や不動産広告や手もと資料と現地の状況を比べて不一致箇所等を確認するためです。
住環境などは現地に行かないとわからないことがたくさんあります。できれば、曜日や時間帯を変えて、何度か訪問することをオススメします。
引用:現地調査(LIFULL HOMES)
現地調査で確認する場所とチェック項目
①土地
地積(登記簿に記載されている土地面積と比べてどうか)、地質や地盤(水はけの良い土地かどうか、水たまりはないか等)、土地の間口・奥行等の地形や地勢(建物を建てやすい土地か、土地に不便な高低差はないか、がけなどが存在しないか等)、隣地や道路との境界はしっかり確認できるか、隣地からの越境物はないか、など可能な限り現地で確認しましょう。
②建物
これから建築する場合は確認のしようがありませんが、すでに建物が存在する建売住宅の場合は内部の間取り等を確認して利用する用途に適した物件かどうかを調査する必要があります。
中古住宅の場合は建物の利用目的に合う間取り以外にも物件図面等に記載のない増改築等はないか、全所有者の利用状況はどうだったか(建物は綺麗に使用されていたか、設備に壊れている箇所や不備はないか等)の確認が必要です。
中古物件の場合、占有者がいる可能性もありますので、その点も確認しておきましょう。
③道路
道路の幅員は4m以上あるかどうか(建築基準法上、幅員4m以上の道路に敷地が2m以上接していなければならない規定があるため)、道路の車線はどうか、自動車の交通量は多いか少ないか、など現地で確認が必要です。
接道義務については以下の記事でも解説しています。
④周辺環境
広告掲載の駅から物件までの距離(道路距離80mを1分として記載されている)と実際の距離に違いはないか、周辺に騒音の問題になるような施設や風紀が乱れる要因となるような施設は存在しないか、など実際に生活を始めたときに困らないように事前の確認が必要です。
不動産登記の調査でわかる項目
不動産とは土地と建物のことですが、例えば一戸建ての場合、土地の上に建物がたっていますよね。
一見すると(イメージ上)土地と建物で1つの不動産だと思いがちですが、不動産の取引や登録上は、ぞれぞれ別の不動産とみなされます。
土地は土地、建物は建物で登記されていますのでそれぞれ調査が必要になります。
不動産登記記録を確認する方法
不動産登記記録を入手する方法は2パターンあります。
①法務局または地方法務局
直接、法務局に出向いて登記事項証明書を交付請求するか、郵送で交付を申請することで入手することができます。
②オンライン
インターネット上からオンライン登記事項証明書を請求するか、オンライン上で登記情報を確認することができます。
オンライン上で確認する登記情報提供サービスには手軽に確認できる反面、その登記情報に証明力は付与されていませんので、その点には注意が必要です。
なお、登記事項証明書とは従来の登記簿謄抄本にあたるもので、登記記録の全部の事項を証明した「全部事項証明書」や登記記録の一部を証明した「一部事項証明書」、登記記録のうち現に効力を有する事項を証明した「現在事項証明書」などがあります。
不動産登記記録の確認ポイント
登記事項証明書で確認するべき主な項目は下記になります。
①土地
所在と地番(物件の正確な住所を特定できる)、地目(宅地や畑などの土地の用途を確認)、地積(登記記録の地積と実際の地積が違う場合があるので要注意)、所有者情報などを確認する必要があります。
②建物
中古不動産などのすでに建物がある場合は建物の登記記録も確認する必要があります。
確認する項目は所在、家屋番号、種類、構造、床面積等の建物自体に関する情報と所有権の登記情報や抵当権などの所有権以外の権利についての記録を確認しましょう。
その他の法務局等で確認したい資料
土地建物等の不動産の場所や面積、境界等をより特定するために地図(14条地図)や公図(地図ほどの精度はないが地図に準ずる図面とされている)、地積測量図(土地の形状、面積が記載されている)、建物図面・各階平面図(建物の位置や形状が記載されている)があります。
14条地図とは不動産登記法14条に基づく地図のため、そう呼ばれています。なお、地図が備え付けられていない法務局もありますので、事前に電話等で確認しましょう。
市町村役場でわかる項目
不動産に関する情報や周辺環境について市町村役場で調べることができる項目には下記があります。
①固定資産課税台帳
不動産の所有者や面積、用途、地目の確認ができます。
②都市計画図
用途地域やその他の地域地区の確認、また建築可能な建ぺい率や容積率の情報が市町村役場の都市計画課等で確認できます。
③道路台帳
道路の幅員や道路管理者情報、位置指定道路や2項道路に該当するか否か、道路との境界情報を市町村役場の道路課や土木課、または役場以外の土木事務所等で確認できます。
④水道配管図(上水道・下水道)
水道管の道路埋設状況や敷地への引込状況、負担金の定めや上(下)水管所有者情報を市区町村役場や水道局で確認することができます。
上記の他にも土壌汚染等についての情報も市町村役場で確認することが可能です。
市町村役場以外ではガス会社や電気会社でガス・電気の道路埋設状況や配線状況、敷地引込状況なども確認することが可能です。
<わかりやすい解説動画>
物件調査のやり方
さいごに
「現地調査」「法務局(またはオンライン)」「市町村役場」「その他の電気、ガス、水道等の供給処理施設」の調査を購入前にきちんとやっておくことで不動産購入後のトラブルを未然に防ぐことにつながります。
調査項目が多くて大変な作業にはなりますが、マイホーム等の不動産購入は非常に高額な買い物ですので、住みはじめてから困らないためにもぜひやっておきましょう。
不動産関連のお金の正しい情報については、以下の記事も参考にしてください。