こんにちは。
ファイナンシャルプランナー(1級FP技能士)のhanaです。
今回のFP資格試験講座は所得税の計算手順について説明します。
タックスプランニングの科目を勉強するにあたり、所得税の全体像(各所得計算から納税すべき税額算出まで)をしっかりつかんでおくことは、とても大事なことですので、ぜひ押さえておきましょう。
各所得金額を算出
所得税の計算手順①
所得には10種類ありますが、総合課税の対象となるもの、分離課税の対象となるもの、それぞれを計算して所得金額を算出します。
総合課税の対象
配当所得、不動産所得、事業所得、譲渡所得、給与所得、一時所得、雑所得
分離課税の対象
利子所得、株式等の譲渡所得、土地建物等の譲渡所得、退職所得、山林所得
※配当所得のうち上場株式等の配当は申告不要制度または申告分離課税制度を選択することもできます。
※譲渡所得は、土地建物等、株式等、その他資産で総合課税か申告分離課税か異なります。
※一時所得は、その所得金額の2分の1が総合課税の対象となります。
※雑所得は公的年金等とそれ以外の雑所得でわけて計算します。
・利子所得と配当所得についてのFP資格講座です。
・不動産所得と事業所得についてのFP資格講座です。
・譲渡所得についてのFP資格講座です。
・給与所得と退職所得についてのFP資格講座です。
・一時所得と山林所得、雑所得についてのFP資格講座です。
損益通算
所得税の計算手順②
手順①で各所得金額を計算したら次は損益通算をします。
所得に損失(赤字)がある場合に、他の所得から差し引く損益通算ができるのは、不動産所得、事業所得、山林所得、譲渡所得ですので、この4つの所得に損失がある場合他の給与所得や一時所得などの金額から差し引きます。
純損失の繰越控除や雑損失の繰越控除をしている場合は、その損失の当該年度分を差し引きます。
この段階で総合課税の対象となる所得は総所得金額として一つの所得にまとまっています。
所得控除
所得税の計算手順③
手順②で計算した総所得金額から所得控除を差し引きます。
所得控除は下記14種類です。
雑損控除、医療費控除、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除、生命保険料控除、地震保険料控除、寄付金控除、配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除、障害者控除、勤労学生控除、寡婦(寡夫)控除、基礎控除
・所得控除の物的控除を解説しているFP資格講座です。
・所得控除の人的控除を解説しているFP資格講座です。
総所得金額から所得控除を差し引いた金額を課税所得金額といいます。
課税所得金額に税率をかける
所得税の計算手順④
③で計算した課税所得金額に所得税の税率をかけます。
所得税額速算表
課税所得金額 195万円以下
税率 5% 控除額 0円
課税所得金額 195万円超330万円以下
税率 10% 控除額 9万7,500円
課税所得金額 330万円超695万円以下
税率 20% 控除額 42万7,500円
課税所得金額 695万円超900万円以下
税率 23% 控除額 63万6,000円
課税所得金額 900万円超1,800万円以下
税率 33% 控除額 153万6,000円
課税所得金額 1,800万円超4,000万円以下
税率 40% 控除額 279万6,000円
課税所得金額 4,000万円超
税率 45% 控除額 479万6,000円
課税総所得金額には上記の税率をかけ、分離課税の対象となる所得には、それぞれ定められた税率をかけて税額を算出します。そして税額を合算します。
所得税の速算表は国税庁のホームページで確認できます。
税額控除
所得税の計算手順⑤
手順④で計算した税額から、住宅ローン控除や配当控除などの税額控除と源泉徴収された税額がある場合はその税額も差し引きます。
・住宅ローン控除と配当控除について解説しているFP資格講座です。
税額控除等を差し引いた税額を基準所得税額といいます。
なお、令和19年までの各年分の確定申告においては復興特別所得税として、基準所得税額×2.1%が上乗せされます。
これで申告すべき所得税額が算出されました!
<分かりやすい解説動画>
所得税の計算方法(計算の仕組みを分かりやすく説明します)
さいごに
今回はファイナンシャルプランナー試験の1級・2級・3級を受験するにあたり、避けては通れない所得税の計算手順について説明しました。
実際に納付すべき税額を意識してタックスプランニングの各項目を学習すると勉強効率も上がりますので、しっかりおさえておきましょう。